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8月も終わりに差し掛かり、明治安田Jリーグの夏の補強期間が終了した。シーズン半ばでの補強は後半戦のチームの成績を大きく左右するものとなるが、Jリーグの歴史の中には、夏の補強によってチーム状況が大きく変わり快進撃を見せたクラブがある。今回は夏の的確な補強によって大躍進を遂げたクラブを6つ紹介する。(成績は『transfermarkt』参照)
鹿島アントラーズ(2007年)
【写真:Getty Images】
最終順位:1位(22勝6分6敗)
補強期間前順位:4位(8勝6分4敗)
主な夏の補強選手:小笠原満男
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オリジナル10としてJリーグ黎明期を支え、常勝軍団となった鹿島アントラーズだったが、2002年にナビスコカップを制覇してからはタイトルから遠ざかっていた。2006年シーズンも柳沢敦の復帰や内田篤人の台頭がありながらも、シーズン途中に小笠原満男という大黒柱の退団も影響しリーグ6位に終わっていた。
新たにオズワルド・オリヴェイラ監督を招聘した2007年は、翌年リーグ戦得点王に輝くマルキーニョスを獲得しスカッドを充実させた。しかし、小笠原のいない穴は大きく、同ポジションに入った野沢拓也が開幕前に負傷離脱すると、開幕5試合でまさかの勝ちなしと、大きく逆噴射してしまう。以降は持ち直したものの、第18節終了時点で4位と、もうひとつ起爆剤が欲しいところだった。
そんな中「ミスター・アントラーズ」が帰ってくる。1年間の期限付き移籍を経て小笠原がアントラーズに復帰したのだ。小笠原は海外でプレーする中で2列目の司令塔ポジションからボランチへと転向していたが、これが野沢との共存を成立させ、後半戦の快進撃を生むこととなる。
盤石の布陣となったアントラーズは、後半戦を14勝2敗で走り抜け、特にラスト9試合は驚異の9連勝でストロングフィニッシュ。最終節まで1度もトップに立っていなかったが、首位だった浦和レッズが最終節で負けたことで奇跡の逆転優勝を果たした。この年は天皇杯も制覇し、リーグ戦との2冠を達成。2008年、2009年とリーグ3連覇を遂げたアントラーズ黄金期の礎を築くシーズンとなった。