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【リバプール・分析コラム】サラーがチームの不安要素だ。快勝の中に見えた問題点、依存度を下げる方法は?

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

ほぼ完璧な試合でみせた不安要素

 開幕からの2試合でスロット新監督が発揮した手腕は間違いないものがあり、すでにチームに自らの戦術を落とし込んでいる。すでに怪我人などのアクシデントがなければ何らかのタイトルを獲得してもおかしくない完成度にあるが、対強豪との試合に向けてはやや心配なことがあった。


 それが右WGのモハメド・サラーの守備意識の低さだ。リバプールは被保持に中盤のドミニク・ソボスライを一列前に上げた「4-2-4」のブロックを組んでからプレッシングを行う。サラーは右サイドの守備を任されているのだが、プレスバックの意識が低いのか自陣に戻って守備をする機会がほとんどない。

 実際にデータサイト『Sofascore』の試合における「各選手の平均ポジション」を見ると、サラーだけがダントツで前残りのしている形となっている。ブレントフォードの左SBが本来CBのクリストファー・アイェルだったことも影響しているかもしれないが、自陣にまで戻ってカウンターの起点となる守備をみせる左WGのルイス・ディアスと対照的な姿勢がやや悪目立ちしてしまう場面もあった。

 サラーが守備で遅れると、ボランチの選手がスペースを埋めるためにサイドに流れる機会が増え、結果的にポジションのズレが生まれる。彼の守備意識の低さが、この試合で致命的なダメージを与えることはなかったが、よりチームとしての力が拮抗している場合は自陣に押し込まれる展開が増えて、必然的に守備をする機会が増える。

 マンチェスター・ユナイテッドとの次節は一つ試金石となる試合になるかもしれない。

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