「チームで共有されていた」東京ヴェルディが徹底していたこと
「チームの中でもコミュニケーションは常に取っていた。もちろんボールを持たれている展開でも、自分たちはどこに戻るのか、どう守備をするのかを徹底していたからこそ、前半をゼロに抑えることができた。前半をゼロで抑えることができたら、後半に自分たちに流れが来るという自信もあったし、それはチームでも共有されていた」
「センターバックに持たせるというのが今日のポイントだったので、そこは別にじれることなくできたともいますし、相手のランニングもうまく対処できたので良かったです」と谷口が言うように、守備に回る時間が長かった中でもプランを遂行し、勝機が訪れるのを辛抱強く待っていた。
ボール保持における長所と比較すると、守備面はまだ課題があるかもしれない。ただ、ファウルにはなったもののタイトに身体を寄せて鈴木優磨に自由を与えなかったシーンなど、綱島は守備でも随所に可能性を感じさせた。「そこで自由にやらせていたら今日の試合はまったく違うものになっていた」と綱島は振り返りつつも、「少し賢く、ずる賢くプレーしたつもり」と冷静だった。
城福監督は「冷静な中でも厳しい守備からしっかり試合に入ってくれた。冷静な守備を続けながら良さを出してくれれば、もっと良いパフォーマンスが出せると思う」と綱島を評価する。
188cmという恵まれた体格を持ち、本職のボランチだけでなく、最終ラインからサイド、攻撃的なポジションまで幅広くこなす。かつて最終ラインでプレーしていた遠藤航がそうだったように、複数のポジションでプレーする経験は、綱島の選手としての可能性を広げてくれるだろう。
(取材・文:加藤健一)
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