なぜ「中止」の結論に至ったのか
【写真:藤江直人】
浦和が1点をリードして迎えたハーフタイム。雷鳴こそ遠のいていたものの、依然として雨脚が衰えないなかで大型映像装置にこんな文字が映し出され、さらに同じ内容の場内アナウンスも流された。
<後半キックオフ時間変更>
その後に後半キックオフ時間が、当初予定より約15分遅れの20時20分と発表された舞台裏で、浦和と川崎の実行委員(代表取締役社長)、そしてマッチコミッショナーによる緊急協議がもたれていた。出された結論は試合の中止。浦和の試合運営担当者は、協議の内容を次のように説明している。
「今後の予測を含めて検討したなかで、悪天候が回復する見込みが立たず、さらにはピッチコンディションがよくない状況もあって、中止とするのが賢明ではないか、という判断にいたりました。前提には来場されているみなさんの観戦環境や帰宅する時間ももちろん含まれていて、全体を考慮した結果です」
さらに浦和はクラブ公式ホームページと公式X(旧ツイッター)で、随時更新および告知してきた試合やイベント開催に関する情報を更新。中止後も引き続き埼玉スタジアムを避難場所として開放していくとアナウンスしたうえで、田口誠社長による「本日ご来場のみなさまへ」と題した声明を発表している。
「中止の判断をさせていただいた時点において雷の発生は確認されておりませんでしたが、激しい雨が断続的に降り続いていたことによりピッチに水が溜まるなどしていたため、選手の負傷リスクが極めて高く、両クラブの選手のコンディションを守るためにこうした判断をいたしました。(中略)天候そのものは私どもにはコントロールできない事象ですが、荒天の中埼玉スタジアムへ足をお運びいただいたみなさまへの対応につきましては、自助努力によって改善できる余地がまだ残っていると認識しております。そうした事象が起きないことを強く願いつつ、クラブスタッフ一同、ここ数試合の荒天対応をしっかり振り返り、改善に努めてまいります」
浦和がホームで開催するリーグ戦で荒天に見舞われるのは、これで4試合連続となる。