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Jリーグ 4週間前

「僕らはもう一皮むけないと…」徳島ヴォルティス、永木亮太はもがきながらJ1を目指す。追い風となる戦友との再会【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「今日の試合は本当にあのミスで…」

 今回は前半戦のキーマンとなった児玉駿斗が出場停止。7月に浦和レッズから2年半ぶりに復帰した岩尾憲がケガでベンチ外という中、永木は杉本太郎とボランチを形成。確実に攻撃を組み立てながら、相手のハイプレスをかいくぐり、逆を取ってゴールを狙うという意図を持ってスタートした。

 ところが、開始早々の5分、ビルドアップのところからいきなりミスが出てしまう。3バックの中央に陣取る森昂大の縦パスを左シャドウの柿谷曜一朗が受け、リターン。これを永木がキープし、展開しようと試みたが、横浜FCのガブリエウ、高橋利樹、ユーリ・ララの3枚にハイプレスをかけられ、バックパスを選択したところ、森に渡る手前でユーリ・ララに足を出され、そのままゴール。与えてはいけない失点をしてしまったのだ。

「相手のプレッシャーをすごく感じて、自分も後ろ向きでボールもらって、昂大に出すしかなかった。昂大に突っ込まれる前の原因を作るパスを出してしまいました。チームとして裏返しを狙ったのに、それもできなかった。今日の試合は本当にあのミスで決まってしまったという印象で、責任を感じてます」

 背番号54をつけるキャプテンは反省しきりだったが、まだ試合は始まったばかり。気を取り直して巻き返していくしかない。8分には横浜F・マリノスから1週間前にレンタル加入した村上悠緋がGKと1対1の決定機を迎え、11分には永木のロングパスからブラウンノア賢信が前線に抜け出すなど、得点の匂いを感じさせる。だが、リーグ最少失点の横浜FCの堅守は崩れることなく、前半を終了。

 後半も徳島はチーム得点王の渡大生、7月以降得点を上積みしている坪井清志郎といった攻撃の駒を次々と投入し、相手ゴールに詰め寄ろうとしたが、逆にミスからジョアン・パウロに2点目を献上。0−2の敗戦という結果に終わったのである。

「早い時間帯で失点してしまったんで、得点を奪いにいくことを意識したけど、もっともっとスムーズに運ばなきゃいけないところも沢山あった。前半は相手のプレッシャーの勢いにちょっと押し負けてしまったというところがあったので、そこは反省しなきゃいけないですし、それを上回るようなポゼッションをしなきゃいけない。今日は反省材料が多いですけど、サッカーなんで負けることもある。ここから切り替えて、連敗しないことが大事になると思います」とフル出場した永木は自らに言い聞かせるように語っていた。

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