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セリエA 4週間前

「心を動かされた」驚きでしかないコモのビッグプロジェクト。「ディズニーのような組織に…」セスクと歩む覚悟の1年【コラム】

シリーズ:コラム text by 佐藤徳和 photo by Getty Images

「クラブをディズニーのような組織にしたい」

「我々にとって、”ビジネス”とは、お金を作り出すための用語ではない。サッカークラブを持続可能とすべき、異なるすべての部門を束ねるための用語だ。クラブはもはや独立した存在であってはならない。社会的背景に組み込まれるべきだ。スポーツの結果にとらわれるのではなく、経済的波及効果や周囲の成長にも、良い影響をもたらすことが必要なのだ」と経営哲学を明かす。

 イギリスメディアのBBCは「ヨーロッパで最も魅力的なプロジェクト」と評価する。そのプロジェクトの中には、当然、新スタジアムの構想計画も含まれる。スワルソは、「月に2、3度、試合が行われるクラブのためだけのスタジアムではない。商業・医療施設が付属するコモ市のためのスタジアムだ。じきに、オーナーからコモ市にスタジアム計画案が提出される」と自前のスタジアム誕生にも胸を膨らませる。

 さらに、「クラブをディズニーのような組織にしたいと思っている。テーマパーク、映画、スタジオ、メディア、そしてマーチャンダイジング。これらすべてが一つの段階でつながっている。それと同じことを我々はコモでもやらなければならない」とクラブが、エンターテイメント性に富んだ組織でならないと強調した。

 開幕節は“イタリアの恋人”ユベントスにアウェイで0−3と、残念ながら敗戦を喫した。チアゴ・モッタを新監督として迎えたチームは今夏のプレシーズンマッチで、セカンドチームのユーベNextGenを相手にしか勝利を掴み取ることはできず、まだチームの再建が道半ばといった印象だったが、さすが、そこはセリエA最多優勝を誇るチームだ。

 セリエA開幕の前にはコッパ・イタリア予選1回戦で、セリエBのサンプドリアにPK戦の末に敗れはしたものの、相手を終始上回るパフォーマンスで、悲観するような試合内容ではなかったコモ。また、プレシーズンマッチでは、カリアリに3-1で勝利し、ドイツのボルフスブルクには0-0と引き分けている。

 UEFAライセンスを取得して、晴れて正監督となったファブレガスのサッカーは、間違いなく相手の脅威となるだろう。今度は、コモのサッカーを初めて目にするサッカーファンが、驚きの声を上げることになるに違いない。

(文・佐藤徳和)

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【了】

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