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Jリーグ 1か月前

「すごく懐かしい」横浜F・マリノス、ポープ・ウィリアムが辿り着いた恩返しの舞台。GK4番手時代も「思い出が…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「もちろんリーグ戦も大事ですけど…」

「もちろんゼロで終わりたかったし、そこ(失点)に対する課題はあります。それでも、チームとして少しずつよくなってきていると感じているし、実際に手応えもある。ACLの組み合わせも発表されましたけど、僕自身はACLでの後悔がたくさんある。もちろんリーグ戦も大事ですけど、自分としてはACLも見すえながら、コンディションといったものもしっかりと高めていきたいと思っている」

 ポープが言及した後悔とは、UAE(アラブ首長国連邦)のアル・アインに、2戦合計3−6で敗れた決勝にある。ホームでの初戦を2−1で先勝しながら、敵地での第2戦の前半終了間際にポープが一発退場。急きょ出場した白坂が後半に3ゴールを奪われた第2戦は、最終的には1−5の大敗を喫した。

 ACLでの借りは、ACLでしか返せない。従来の大会形式がACLエリートに改められ、9月にリーグステージがスタートする新たな戦いへ。あらゆる面で自分自身を高めていきたいと青写真を描いているからこそ、川崎戦の試合終了間際に足がつってしまったアクシデントをポープは反省している。

「水分や食事といったところは気をつけているけど、この暑さもあって、どうしても(体から)出ていってしまうものもある。ただ、それでも不安なくゲームを進めたいし、それ(足がつる)はチームにとってもネガティブな状況だと思うので、いろいろと試しながら何とか改善していきたい」

 延長戦を含めた120分間で40本を超えるシュートを浴びた、4月の蔚山現代(韓国)とのACL準決勝第2戦でも試合中に足がつっているだけに、ポープは体質改善を含めたアプローチを模索している。ただ、PK戦にもつれ込んだこの試合では、足の状態を回復させたポープのPKストップで決勝進出を果たしていた。

 プロの第一歩を踏み出したヴェルディから数えて延べ8チーム目。モットーに「どんなに苦しくても自分自身を信じて、道を切り開いていく」を掲げてきたポープは、まもなく30歳になるシーズンに巡り会えたマリノスでゴールマウスを託され、ハイレベルな経験を重ねながら成長へ向けた課題も見つけられる日々に感謝しながら、身長192cm体重89kgの恵まれた体に宿るポテンシャルを少しずつ解放させていく。

(取材・文:藤江直人)

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