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大苦戦の予感…。24/25プレミアリーグ順位予想11〜20位。ピンチ…。降格の危険性が最も高いのは?

シリーズ:プレミアリーグ順位予想 text by photo by Getty Images

16位:イプスウィッチ・タウン

イプスウィッチ・タウン
【写真:Getty Images】

監督:キーラン・マッケンナ(4年目)
23/24リーグ戦成績:28勝12分6敗(チャンピオンシップ2位)

 今季の昇格組の中で最も期待できるのがキーラン・マッケンナ監督率いるイプスウィッチ・タウンだ。

 彼が監督に就任した2021/22シーズンはフットボールリーグ1(イングランド3部相当)に所属していたが、初めてフルシーズンを過ごした2022/23シーズンにチャンピオンシップ(イングランド2部相当)昇格を決めた。2023/24シーズンは優勝したレスターと勝ち点1差の2位で終え、3部から1部までの連続昇格という偉業を成し遂げている。

 ピッチ外では2021年にアメリカ資本となったことが経営の安定に繋がったが、それが必ずしもクラブの成功に繋がるとは限らない。マッケンナは、いわゆる「大型補強」がない中でもイプスウィッチを3部から1部へと導いており、昨季のチャンピオンシップアシスト王のリーフ・デイビスや主将のサム・モーシーら、各個人の能力を伸ばしたことで、プレミアリーグ昇格の切符を勝ち取った。

 そして迎えた今夏には、プレミアリーグを戦い抜くために過去最大規模の大型補強を行っている。昨季ローン移籍で大活躍したオマル・ハッチンソンを買い取り、昨季のチャンピオンシップでベストイレブンに選出されたサミー・シュモディクス(得点王)やジェイコブ・グリーブスらを獲得。近年、コンディションに苦しんでいるカルヴィン・フィリップスをローン移籍で獲得し、個人の能力を伸ばしてきたマッケンナには彼の再生も期待がされている。

 こうした大型補強は昇格組からするとリスクに思われるかもしれないが、イプスウィッチの補強戦略であれば問題ないだろう。というのも、このクラブは多国籍なチームが多いプレミアリーグの中でも稀有な存在で、ほぼ全員が英国系、もしくはアイルランド系やオーストラリア系の選手たちで形成されている。全員がイングランドのクラブの下部組織出身なため、イギリス独特な悪天候や寒さなどの環境へのフィットに苦しむ可能性が低く、言語面での心配も必要ない。

 ホームグロウンの選手なため、仮に売却することになっても、国内のクラブに対しては、市場価値よりも高い金額で売却できる可能性が高いため、持続可能な経営という観点からも完璧に近い補強を進めている。

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