20位:レスター・シティ
【写真:Getty Images】
監督:スティーブ・クーパー(1年目)
23/24リーグ戦成績:31勝4分11敗(チャンピオンシップ1位)
昨季のチャンピオンシップ(イングランド2部相当)王者であるレスターを最下位に予想した。
優勝して昇格したのにも関わらず、ここまで希望が見出せないのは珍しい。9シーズン前にはプレミアリーグを制したクラブだが、悪い方向に転べば昨シーズンのプレミアリーグで史上最多となる104失点を喫して降格したシェフィールド・ユナイテッドの二の舞になる可能性も十分にある。
最大の懸念点は、昨シーズンとの比較での戦力の弱体化だ。指揮官のエンツォ・マレスカがチェルシーに引き抜かれ、チームの絶対的支柱だったキアナン・デューズバリー=ホールも一緒に移籍した。ケレチ・イヘアナチョやデニス・プラートら経験豊富なサブの選手たちも契約満了に伴いチームを去り、補強もほとんど進んでいない。
補強が進んでいない結果、開幕時点では本職ストライカーが昨季チャンピオンシップで2ゴールの21歳の若手FWトム・キャノンしかいない。ジェイミー・ヴァーディとパトソン・ダカの2名が負傷離脱中だが、仮に彼らが戻ってきたとしても前者は37歳の大ベテラン、後者はチャンピオンシップでも活躍することができなかった近年最悪の獲得選手の1人だ。
近年のレスターの低迷の最大の要因はフロントの決断力の無さと、判断の誤りで、マレスカの後任にスティーブ・クーパーを招聘したことには疑問符が残る。1年かけてポゼッション志向のチームに変貌したのにも関わらず、後任にカウンター志向の監督を選出した。なおかつ補強がないため、クーパーが好むような選手も少ない。
加えて、クーパーがローカルライバルのノッティンガム・フォレストで絶大な人気を誇る人物であることも懸念材料だ。就任時からレスターのサポーターは彼の監督就任に懐疑的で、実際にリーグが始まらないとわからないが、声援的な後押しもあまり期待できない。就任時からアウェイのクーパーがサポーターからの支持を集めるためには結果を残すしかない。
この時点で最下位予想なのだが、すでにレスターは昨季のエバートンやノッティンガム・フォレストと同じくPSR(収益性と持続可能性に関する規則)違反による勝ち点はく奪が決定的で、この厳しい状況で追い打ちをかけるような処分を受ける可能性が高い。こうした影響からか、今夏に狙った選手の大半に断りを入れられており、残留の希望は限りなく低い。既存の選手たちはこの逆境をひっくり返すことができるのだろうか。
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