4位:リバプール
【写真:Getty Images】
監督:アルネ・スロット (1年目)
23/24リーグ戦成績:24勝10分4敗(3位)
2015年10月から指揮を執っていたユルゲン・クロップ監督の退任によってリバプールの一つの時代が終わった。後任にはフェイエノールトで数々のタイトルを獲得していたアルネ・スロットが招聘され、フットボール界に名を残した名将の後を継ぐ。
ビッグラブにおける長期政権後の苦戦は記憶に新しいだろう。マンチェスター・ユナイテッドではデビッド・モイーズが、アーセナルではウナイ・エメリが前任者の後で苦戦を強いられた。しかし、クロップがマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルの前例と違うのは、チームの土台と伸びしろを残しつつ退任したことである。アレックス・ファーガソンは全盛期で退任し、アーセン・ヴェンゲルは過渡期にチームを去っていた。
絶大な力があったクロップから監督が代わるタイミングを考えると今夏はベストに近いものがある。プレシーズンでは、主力が揃った期間が短かったとはいえ、早速スロット新監督の下で新戦術が機能し始めている。主将のフィルジル・ファン・ダイクが監督と同じオランダ人であることもポジティブな点だ。
一方で補強は進んでおらず、ローンバックを除くと新戦力はゼロ。8月中旬にはスロット監督が求める中盤でボールを散らせるレアル・ソシエダのマルティン・スビメンディにオファーを送ったが、これを断られてしまい、今夏のファーストターゲットを獲得することができなかった。
昨夏に加入した遠藤航も展開力がないわけではないが、世界屈指のアンカーであるスビメンディを狙っていることを踏まえると、指揮官は彼のポジションにアップデートが必要だと考えていることが予想される。このまま誰も6番タイプの選手の獲得が決まらないのであれば、すでにイングランド代表では中盤起用されているトレント・アレクサンダー=アーノルドのコンバートがあるかもしれない。
昨季を下回る4位と予想したのは、スロット監督の中での理想のスカッドが揃っていないからだ。契約最終年となっているファン・ダイクやモハメド・サラー、アレクサンダー=アーノルドらの去就に関する問題も残っており、上位予想した3つのクラブと比較をすると不確定要素が多い。