6位:トッテナム
【写真:Getty Images】
監督:アンジェ・ポステコグルー(2年目)
23/24リーグ戦成績:20勝6分12敗(5位)
アンジェ・ポステコグルー体制で2年目を迎えるトッテナムを6位と予想した。
今夏の移籍市場では、ボーンマスからドミニク・ソランケという待望のストライカーをクラブレコードの移籍金で獲得し、最終ラインと中盤でポリバレントに振舞えるアーチー・グレイ、プレシーズンから好調のルーカス・ベリヴァルらを新戦力に加えている。
それでも昨季を下回る6位フィニッシュを予想したのは、ポステコグルー監督が“過密日程を苦手”としているからである。昨シーズンのスパーズは開幕から勝利を重ね、第10節終了時点では首位に立っていた。ところが司令塔のジェームズ・マディソンやミッキー・ファン・デ・フェン、クリスティアン・ロメロが負傷離脱をすると大きく躓き、11月から12月にかけての過密日程では5試合で1分4敗と大失速。怪我人が続出したシーズン最終盤も4連敗を喫するなど、主力が怪我でいなくなった際の低迷が目立っている。
ポステコグルーのチームはベストメンバーが揃えばプレミアリーグ屈指の強さを誇るだろう。仮に全試合でフルメンバーが揃うのであれば優勝の可能性も十分にある。しかし、ポステコグルーのサッカーはフィジカル的な負荷が、他のチームよりも大きい点に課題を残している。両CBは2人でハイラインの裏を守る必要があり、前線の選手たちのプレスは連動性よりも、各々が二度追い、三度追いすることで強度を生み出している。
公式戦41試合しか戦わなかった昨季でさえも選手たちのフィジカル的な負荷は大きかったが、今季はUEFAヨーロッパリーグ(EL)に出場するため最低でもグループリーグの8試合がこれに加わる。ポステコグルー監督は横浜・Fマリノス時代もターンオーバーに苦戦した過去があり、J1優勝の翌年はリーグ戦を9位で終え、AFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)もベスト16で去った。
昨シーズンの課題だったセットプレーの守備もプレシーズンを見る限りは改善されておらず、依然としてスタメンと控え組の能力の差はあまり縮まっていない。ポステコグルー監督の下で2年目を迎えたことでチームとしての練度は間違いなく上がっているが、いかにして過密日程の中で戦力ダウンを最低限に留まらせることができるかがシーズンの行方を占うだろう。