8位:ウェストハム
【写真:Getty Images】
監督:フレン・ロペテギ(1年目)
23/24リーグ戦成績:14勝10分14敗(9位)
今夏の移籍市場で主役の1つになっているのがウェストハムだ。昨夏にテクニカル・ディレクターに就任したティム・シュタイテンの下で大改革を行っており、昨季限りで退任したデビッド・モイーズに代わって、近年はセビージャやウォルバーハンプトンを率いていたフレン・ロペテギが新監督に就任した。
今夏のウェストハムの補強テーマで欠かせないのが「守備陣の再構築」である。昨シーズンはプレミアリーグだけで74失点を喫しており、これは降格した3クラブに次いで多い数字だった。この状況で2人のベテランCBが退団することになりそうだ。近年は膝の怪我に悩まされていたベテランのアンジェロ・オグボンナはすでに契約満了に伴いチームを去り、同じく膝に問題を抱えているクル・ズマも今夏の退団が濃厚となっている。
この2人の穴を埋めるべく、ロペテギのウルブス時代の教え子であるマックス・キルマンとニースでリーグ・アン屈指のストッパーという評価を得ていたジャン=クレール・トディボを獲得。ベン・ジョンソン退団に伴い、右SBの選手層が薄くなったところにはマンチェスター・ユナイテッドからアーロン・ワン=ビサカを獲得した。
他にもシュタイテンがブレーメンのスポーツ・ディレクター時代に獲得した経験があるドイツ代表FWニクラス・フュルクルクや怪我がちなエドソン・アルバレスの代役となれるアルゼンチン代表MFギド・ロドリゲス、昨季リーズ・ユナイテッドでセンセーショナルなシーズンを過ごしたオランダ人WGクリセンシオ・サマーヴィルら即戦力を獲得した。
昨季からの比較では戦力的なマイナスもほとんどなく、余剰戦力を放出した資金と昨夏に得たデクラン・ライスの売却益でかつてないほどの大型補強に成功した。ヨーロッパ大会に出場してもおかしくないこの戦力をフレン・ロペテギがまとめることができるだろうか。
目指すはセビージャ時代のUEFAヨーロッパリーグ優勝を成し遂げた2019/20シーズンの再現だ。このシーズンの夏にセビージャは大型補強を行い、それに応えるようにロペテギのチームは躍進を続けた。ライバルも強力なため8位と予想したが、ヨーロッパの主要大会がないのはスペイン人指揮官にとって追い風になるだろう。連敗などの失速がなければCL出場権争いに参戦してもおかしくない。