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Jリーグ 1か月前

なぜ京都サンガは機能不全に陥ったのか? 関係が狂い…。覆されたプレッシングの基本設計【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by Nobuya Akazawa|J1全部見るマン photo by Getty Images

なぜプレスが機能不全を起こしたのか? 「振る舞いに大きな問題」

 大前提として、中央への誘導が覆ってしまっていた。足並みを揃えてプレスのスタートを切らないので、WGの外切りが成功したとしてもIHやSBが遅れてしまい、一つずつ剥がされてしまっていた。


 また1手目で外側に逃げられるのでプレスを簡単に空転させられてしまう。ここも1stプレス隊の前提を覆されてしまっていた。足並みが揃わずに単騎特攻プレスになってしまったことがプレスの機能不全を起こした要因の1つだ。

 次にプレスをかわされた後の振る舞いにも大きな問題がある。単騎でプレスをかけてかわされると、繋がりが切れている分だけ距離が長くなるにもかかわらず、次の選手がプレスに出てしまう。ここで止まることができればスペースを明け渡すことはないのだが、距離があるところからプレスをかけてしまえば、容易にひっくり返されてしまう。すると、最終ラインが晒される回数が増え、失点につながっていた。

 ボールを回収するためのプレスに行く判断が噛み合ってなかったがゆえに、プレスの機能不全を招いてしまったのではないだろうか。チームが苦しんでいるときは、スペースの管理とマーカーと自分との距離の関係が狂ってしまった印象を受けた。

 現在は京都の良さを取り戻すことができている。きっかけとなった試合は確実に0-5で敗戦を喫した15節のサンフレッチェ広島戦だ。この試合の京都は機能不全を引き起こす原因を全て出してしまった。ただ、このショッキングな敗戦から京都は徐々に本来の良さを取り戻していく。

(文:Nobuya Akazawa | J1全部見るマン)

<後編に続く【8/15公開予定】>

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【了】

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