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明治安田J1リーグの第26節、FC東京対川崎フロンターレの試合が味の素スタジアムで行われ、3−0でアウェイの川崎が勝利した。パリ五輪(オリンピック)から帰国して復帰戦となったDF高井幸大はこの日ダメ押しとなる3点目を決めチームの3連勝に貢献しつつも、終始謙遜した様子で試合を振り返っている。(取材・文:藤江直人)
手荒い祝福「何か寝ていたい気分だったので…」
背中越しに感じる重さが心地よかった。豪快なダイビングヘッドを叩き込み、プロになって2つ目のゴールを決めた川崎フロンターレの19歳、DF高井幸大は直後に予期せぬ祝福を受けていた。
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宙を舞った体勢のまま着地し、敵地・味の素スタジアムのゴール前でうつ伏せになっていた高井の背中に、先輩たちが次々と覆いかぶさってくる。真っ先にFW山田新が抱きつき、キャプテンのMF脇坂泰斗はすぐに離れたものの、入れ替わるようにMF遠野大弥が山田の上からすべての体重をかけてきた。
さらに、いつまでやっているんだよ、と言わんばかりに、FW家長昭博が笑顔を浮かべながら遠野と山田、そして高井のお尻の部分を左足でちょこん、ちょこんと突っつく。山田たちから「ナイス!」といった声をかけられていた高井は、実に10秒近くも続いた手荒い祝福をこう振り返っている。
「最年少らしかったかな、と思います」
先発陣でただ一人の十代だからこそ、先輩たちからいじられたと言いたかったのだろう。さらに「あれ、ゴールパフォーマンスではなかったですよね」と問われた高井は、こんな言葉を続けている。
「何か寝ていたい気分だったので、はい」
チーム内で可愛がられている様子が微笑ましく伝わってくる。もっとも、直前に決めたゴールには、高井のスケールの大きさがこれでもかと凝縮されていた。FC東京に3−0で快勝した11日のJ1リーグ第26節。多摩川クラシコでの勝利を確定させた、高井のダメ押しゴールが決まったのは72分だった。