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Jリーグ 1か月前

ガンバ大阪の堅守を支える“苦労人”の声がけ。GK一森純が名手から受け継いだもの「まだ甘いんですけど…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

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ガンバ大阪は11日、明治安田J1リーグ第26節で柏レイソルと対戦し、スコアレスドローに終わった。これで3試合連続ゴールなしと得点力不足に悩んでいるが、それでも上位に踏みとどまれているのは、リーグ最少失点の堅守があるからだ。それを最後尾から支えるGK一森純の存在は、チームにとって特別なものになっている。(取材・文:元川悦子)

著者プロフィール:元川悦子

1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

「細谷真大選手のプレーは五輪で見させていただいて…」

柏レイソルの細谷真大
【写真:Getty Images】

 8月7日のJ1再開時点で、首位・FC町田ゼルビアと勝ち点5差の2位につけていたガンバ大阪。しかし同日のFC東京戦を0-0で勝ち切れず、3位後退を余儀なくされ、11日のアウェイ・柏レイソル戦を迎えることになった。

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 3冠を達成した2014年以来のJ1タイトルを狙おうと思うなら、これ以上の取りこぼしは許されない。パリ五輪(パリオリンピック)に参戦していた細谷真大と関根大輝もチームに戻り、戦力的に充実した柏を確実に叩いて3ポイントを積み上げることが、彼らに課された大命題だった。

 FC東京戦で出場停止だったキャプテン・宇佐美貴史も復帰し、攻撃のエネルギーが増した状態でスタートしたこの一戦。開始早々に見せ場を作ったのは、相手エースFWだった。

 古賀太陽からのロングフィードに反応した細谷は、ガンバの右SB松田陸を背負って素早い反転から右足を一閃。シュートは枠内に飛んだが、守護神・一森純が鋭い反応を見せ、左手一本でセーブ。柏の山田雄士に詰められたものの、最終的にゴールは割らせなかった。

「細谷選手のプレーは五輪で見させていただいて、『怖い選手だな』と思って警戒していたんですけど、DF陣がコースをうまく切ってくれたのかなと思います」と一森は言う。彼の的確な判断とシュートブロックがあるからこそ、今季のガンバはここまでJ1最少の18失点という目覚ましい数字を残せているのだ。

 直後の6分、ガンバはエース・宇佐美の決定的シュートがクロスバーを叩き、先制点かと思われたが、映像確認の結果、ノーゴールという判定。これには宇佐美もチームメートも納得いかない部分はあっただろうが、前を向くしかない。一森や中谷進之介ら守備陣らを中心に再び気を引き締めた。

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