選手たちが肌で感じたもの「自分の立ち位置がよく分かった」
「自分の現状の立ち位置というのもよく分かった。センターバックで出ている相手の選手は、僕よりも2個も3個も下で、そういうところ(ラ・リーガ)でしっかり実力を発揮している。相手チームは強豪クラブで出ている選手もたくさんいましたし、自分たちもそうやっていかないといけないと思う」
センターバックのエリック・ガルシアは前回大会に19歳で出場しており、今大会では17歳のパウ・クバルシとコンビを組んでいた。A代表を見れば、クバルシと同じ2007年生まれのヤミン・ヤマルがプレーしている。19歳という年齢は世界的に見れば決して若くないことを、高井は肌で感じていた。
また、斉藤は大会を振り返り、実力を「出し切れなかった」と言っていた。当然、相手のレベルが上がれば思うようなパフォーマンスを簡単に出すことはできない。「それが今の自分自身のレベルだと思う」と現実を認めつつ、レベルアップを誓った。
新型コロナウイルスの影響により、2021年のFIFA U-20ワールドカップやU-17ワールドカップが中止になったことで、この世代の多くは世界大会を経験していない。それは他国も同じだが、スペインやフランスのような日常が世界レベルの国との差は確かにあった。
繰り返しになるが、これはあくまで敗因の1つを切り取ったに過ぎない。個の力で劣るU-23日本代表がU-23スペイン代表に勝つには、分析と対策と組織力で上回るしかないという戦略的な敗因もある。一方で、日本サッカーにとって、五輪の男子サッカーはどういう意義のあるものにしていくべきなのか。それも、この時期に考えるべき1つの論点かもしれない。
(取材・文:加藤健一【フランス】)
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