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サッカーU-23日本代表は現地時間2日、パリ五輪(パリオリンピック)準々決勝でU-23スペイン代表に0-3で敗れている。金メダルを目標に掲げていたチームに、何が足りなかったのか。選手たちの言葉から、今大会を総括していきたい。(取材・文:加藤健一【フランス】)
サッカーU-23日本代表が感じた世界との差
前回大会と同じように、決勝トーナメントで夢を打ち砕いたのはスペインだった。オンフィールドレビューによる得点の取り消しなど、不運が重なったことも事実だが、試合内容を見てU-23日本代表に分があったかという問いにうなずくことはできない。0-3というスコアほどの差があるとは感じなかったが、決定的な局面でスペインが上回っていたことは間違いない。
敗因は1つに絞ることはできない。前線がパスコースを限定しながら中盤でボールを奪いきるのがU-23日本代表の理想の形の1つだが、スペインの2CBとアンカーを自由にさせすぎた。数的同数で守る形に変えてからU-23日本代表はボールをいい形で奪えるようになったが、そういった修正の遅さは相変わらずだった。
戦術的な稚拙さは否めないが、それだけが敗因だと言い切ることもできない。この大会に出場しているチームの多くは、そこまでチーム戦術が細かく落とし込まれていない。それでも個人戦術やユニットの連係でなんとかできてしまうのが、スペインがサッカー大国たる所以でもあるのだが、A代表のように落とし込む戦術の解像度が低いから負けたという総括は、U-23日本代表の一部分を切り取ったものでしかない。
今大会のU-23日本代表を現地で追い続けてきた数少ない1人として、選手たちの目線から見た敗因を深堀していきたい。