熊谷紗希が見たなでしこジャパンの未来
「池田監督も若い世代が出てきたところを逃さずにメンバーに入れて使ってくれた。若い素材というのは今後の楽しみですから」
最年長の熊谷もそれに同調するように、若手の頼もしさを言葉にした。
「ほとんど若い子がやってくれた大会だった。若いとか関係なくやって欲しいし、若い子の成長もすごくうれしい。このチームは自分を抜いたら全然みんな若いんで、まだまだ未来があるチームだと思うし、まだまだなでしこジャパンの未来は明るいなってみんなに思ってもらえるように、結果を出し続ける集団であり続けるべきだと思います」
初戦では20歳の藤野あおばが直接FKを決め、第2戦では19歳の谷川が衝撃的なゴールを沈め、第3戦では20歳の浜野まいかがゴールを決めている。熊谷が言うように、パリ五輪は若手の頼もしさが印象的な大会でもあった。
33歳の熊谷は代表でのキャリアについての進退の名言を避けたが、遅かれ早かれ幕を閉じるときがくるだろう。それでも、「紗希さんに金メダルを」という目標を果たせなかった後輩たちが、この成長を必ずや加速させてくれるはずだ。
ASローマとなでしこジャパン、クラブと代表で同じDFとして熊谷の姿を間近で見てきた南萌華は、熊谷への偉大さを実感するとともに、悔しさをにじませた。