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これが限界だった。なでしこジャパンに突き付けられた現実「カウンターだけでは成長できない」【パリ五輪現地コラム】

text by 編集部 photo by JMPA

「なでしこジャパンらしい部分をもっと…」直面した限界

「なでしこジャパンらしい部分をもっと上げていかないといけないというところも凄く反省の部分がある。特にスペインにはU-17、U-20、そしてシニア(A代表)もボールを支配されながら負けている。やはり日本の女子サッカーの質を上げる意味では本気になって、そういったところから検証して、どういう準備をしたらいいか、日頃の部分のサッカー環境でどうしていくべきか、そういった反省の部分が多々あった」


 ボール保持、ボール非保持と、その2つの間にある2つのトランジション(攻守の切り替え)と、サッカーには4つの局面があると言われる。もちろん、チームによって得意な局面があるが、レベルが上がれば上がるほど、苦手な局面があればそこを徹底的に突かれる。そういう意味では、どういう相手に対してもボールを保持して相手の苦手な局面を引き出させるような戦いに持ち込めるのが理想だ。

 ただ、今大会ではナイジェリア女子代表戦を除く3試合、つまり優勝候補に挙げられる強豪国との試合で、なでしこジャパンは相手にスペースを与えず、自陣でブロックを敷く戦いをしていた。せざるを得なかった部分もあり、それが今ある手札の中では最善だったことは否めないが、これが限界だった。その戦い方ではトーナメントを勝っていくのは難しいという現実にも直面している。

 浜野まいかも「次のワールドカップでは逆に日本がボールを保持して、圧倒できるようなふうな試合を運べたらなと思います」と話した。浜野や長谷川唯を筆頭に、なでしこジャパンには欧州トップリーグでプレーする選手も多く、それができるクオリティを持つ選手が多いのもまた事実だろう。

 佐々木委員長は「カウンターだけでは将来もやっぱり成長できない」と俯瞰的な視野で課題を挙げたが、対照的に若手たちの成長にも目を細め、成長を促す池田監督の手腕も評価している。

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