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Jリーグ 1か月前

浦和レッズは“バグ”を規制するか、利用するか。スコルジャ政権の違和感とヘグモ政権の論理【戦術分析コラム】

シリーズ:戦術分析コラム text by らいかーると photo by Getty Images

グスタフソンは最高のお手本。ウイングに求められる多彩な仕事とは…

 時間とスペースを得るために、周りの選手の立ち位置を利用することもできるようになっている。ポジショナルプレーの原則では、隣り合う選手は同じレーンにいてはいけないが、あえて同じレーンに立ち位置をとることで、味方をフリーにする、自分がフリーになることを理解して立ち位置を変化させるプレーも増えてきている。


 スコルジャ時代から続くボール保持へのあくなき挑戦は、個々の選手のレベルアップとボールを持っている選手の振る舞いにも助けられる形となっている。最高のお手本であるグスタフソンと、いなくなってしまったけれど、オラ・ソルバッケンの存在が大きかったのではないだろうか。

 ボール周辺の状況を見ながら適切なサポートを行い、ボールの行方を指示するグスタフソンは周りに時間とスペースを配り続けている。ボール保持者のプレッシングに出た相手の背中でボールを受け、フリーの状況から相手をぎりぎりまで引き付けるプレーは、周りの選手に大きな影響を与えている。

 ウイングの質といえば突破のイメージがあるが、ソルバッケンは相手を背負うキープで味方の攻め上がりの時間を稼いだり、ハイボールの的になってボールを守ったり、カットインによって相手の守備の基準点を混乱させたりと、ウイングがすべきプレーをたくさん残してくれた。ウイングの仕事は突破してクロスだけではないことを証明したソルバッケンのプレーは、現代のウイングに必要な仕事が多彩になってきていることを示している。

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