机上の空論…。浦和レッズが出した結論は…
今季が開幕したときの浦和は、どこか静的な立ち位置を守り続けているように見えた。相手が[4-4-2]で構えているとすると、インサイドハーフは相手の中盤の背中に構えさせる形をスタートとしていた。
理論上ではセンターバックとアンカーのトリオによって、相手のファーストラインを超えていきたい。しかし、それが実現することもあれば、机上の空論になることもある。ときにはインサイドハーフが降りてくることも必要で、インサイドハーフが降りたことでできたエリアにはセンターフォワードが降りてくることもまた必要になってくる。いつだって現実は厳しく、正解でもある。
机上の空論とピッチで起きている現実を収斂させながら、浦和の出した結論は[4-2-3-1]と[4-3-3]をミックスさせるような形だった。両者の最も異なる差はセンターフォワードが降りるプレーをする必要があるか否かとなるだろう。ブライアン・リンセンのように相手の裏に飛び出すことを得意としている場合は、ポストの仕事をトップ下の選手に任せたほうが良い。ポストの仕事をこなせるチアゴ・サンタナの場合はトップ下を置かなくても大丈夫で、個性に合わせた調整が必要になっている。
解放という言葉もひとつのキーとなっている。大外に位置するウイングが内側に移動するためには、他の誰かが大外に移動してくる必要がある。サミュエル・グスタフソンがアンカーの位置から移動するなら、インサイドハーフやセントラルハーフがグスタフソンの開けた位置を埋める必要がある。
誰かが自分のプレーエリアを補完してくれるからこそ、ボールを受けるため、もしくは味方のために移動をすることができる。この関係性がなければ、ピッチはカオスな状態となり、ボール保持者は選択肢がないなかでのプレーとなってしまうだろう。