選手兼コーチとして指導者キャリアをスタート
「凄く戦術的な監督。前の監督も戦術的でしたが、より細かいところの意識が洗練されています。チームにも浸透してきています。特に守備のところの強度を凄く求める監督です」
この守備強度と言う部分は多くの選手が口にしている共通点だ。ジェイムズ・ミルナーも「ボールを持っていないときはもっと激しさが増す」と言っており、ジョエル・フェルトマンに至っては「まあ彼はドイツ人だからね、走るのが好きなんだよ。ブンデスリーガスタイルというか。走り続けることを95分間求めるんだよね」と冗談まじりに答えている。
三笘も守備強度の部分はこのプレシーズン中にかなり意識をしているようだ。鹿島戦後に「強度を高くやりたいのは監督の意見だと思うので、もっと強度をあげていきたい」と言えば、この意識はチームメイトのミルナーにも伝わっていたようで「今日はボールを持っていない時もとても印象的だった」と三笘を賞賛している。
では、このドイツ人監督は守備に重きを置く監督なのか、と言うとそれはどうやら違うようだ。メディア限定で公開された練習と、ファンにも公開された練習の両方を見る限り、アップとコーディネーショントレーニングを終えた後は、攻撃に関する戦術練習の時間をかなり長くとっていた。フェルトマンに守備練習の時間が増えたかを尋ねたところ、「いいえ、特に増えてはないと思います」と明かしている。
あくまでヒュルツラー監督は、攻撃的に勝つために攻守の切り替えを重視しており、強くコーチングしているだけのようだ。
ヒュルツラー監督は、鹿島戦の前日の記者会見で「既存の上手くいっていない制度は打破していく」「ウィニングカルチャー(勝つ文化)をチームに持ち込みたい」と語っている。
では具体的に、ロベルト・デゼルビが監督だった昨季までのサッカーから何をどう変えようとしているのか。筆者は、ブライトンのトレーニングを見学して一つの仮説を立てた。