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「ギリギリのところで…」なでしこジャパン、ベスト8敗退の原因。選手の本音は「手応えしかなかった」【パリ五輪現地コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

消耗戦で屈したなでしこジャパンの想定外

なでしこジャパン主将の熊谷紗希
【写真:JMPA代表撮影】

 このシーンを筆頭に、後半は逆サイドのウイングバックがゴール前に侵入する場面が格段に増えた。しかし、ゴールネットを揺らせないまま時間が過ぎていく。90分を終えてスコアは動かなかったが、長野はピッチで手ごたえを感じていた。


「絶対にいけると思っていたし、チームを信じていた。正直、アメリカにボールを持たれても怖さは感じなくて、自分たちが攻撃したあとのこぼれ球を拾われてカウンターを受けるのが一番怖かったので、ボールを持たれているのは問題じゃなかった」

 消耗戦に持ち込めば、なでしこジャパンの方が有利になりそうだった。アメリカはグループステージ初戦と第2戦で同じ11人を先発起用しており、第3戦で1人、この準々決勝で1人の変更にとどめている。実に9人が4試合連続で先発しており、準々決勝でも延長戦に入るまでは1人も交代枠を使わなかった。

 一方のなでしこジャパンは4試合で18人を先発で起用している。残る4人のうち2人はGKで、谷川萌々子はブラジル女子代表戦で2得点に絡む活躍を、千葉玲海菜は4試合すべてに途中出場していた。プレータイムをシェアできていたなでしこジャパンの方が有利に見えたが、実のところ満身創痍だったのはなでしこジャパンの方だった。

 4試合にフル出場した熊谷は試合後、偽らざる本音を明かしている。

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