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細谷真大のゴールがオフサイドならサッカーの魅力は半減する。サッカーU-23日本代表対スペインは未来への警告【パリ五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

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サッカー日本代表FW細谷真大
【写真:Getty Images】

サッカーの魅力は半減する

 パリ五輪(パリオリンピック)2024男子サッカー競技・準々決勝、U-23日本代表対U-23スペイン代表が現地時間2日に行われた。試合は0-3でU-23日本代表が敗戦となった。1点ビハインドの40分に細谷真大がゴールを奪うも、VARの介入によりノーゴールの判定となった。




 問題のシーンは40分に起こった。1点を追いかける日本はスペインゴールに迫る。藤田譲瑠チマがペナルティエリア手前からエリア内へパスを供給。これを受けた細谷がDFパウ・クバルシを背負いながらボールをキープし、反転して右足のシュートを放つ。ボールはゴール左に吸い込まれ、ネットを揺らした。日本の素晴らしい連係と細谷のボールキープから奪ったビューティフルゴール。しかし、これがVARにより、ノーゴールの判定となった。

 細谷がゴールネットを揺らした後、選手たちはVARの判定を待った。しかし、無情にも細谷のオフサイドの判定となってしまった。映像で確認すると、確かに細谷の右足のつま先がオフサイドラインをわずかに出ていた。現行のルールでこれがオフサイドになってしまうことは仕方ないのかもしれない。しかし、本来オフサイドとはなんなのかを考えさせられるシーンでもあったことは間違いではない

 オフサイドの細かいルールは繰り返し変更されてきた。しかし、本来オフサイドというものは「待ち伏せ」を防ぐためにある。幻のゴールシーンで、細谷は相手を背負った状態でプレーしており、体のほとんどはオンサイドだ。このような形からオフサイドをとられる例を他に知らない。つま先が少し出ていたから、膝が少し出ていたから…。果たしてこれらは、攻撃側に有利な状況が生まれていると言えるのか。オフサイドのルールを改めて見直すべきだ。

 細谷のシュートシーンも、オフサイドであることに変わりはないのかもしれないが、今後もあのようなオフサイドが生まれるなら、サッカーの魅力は半減されてしまうのではないか。ゴールが決まっても、素直に喜べない。このようなオフサイドがあるからだ。これはサッカーの面白さなのか。

 もし細谷のゴールが生まれていたら、もっと白熱した展開になっていたとしても不思議ではない。このままではサッカーの未来に分厚い雲がかかる。

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