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サッカーU-23日本代表はスペインではなく主審に負けた。不可解なジャッジを言い訳にしないことはできない【パリ五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

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U-23スペイン代表とU-23日本代表
【写真:Getty Images】

U-23日本代表はスペインではなく主審に負けた

 パリ五輪(パリオリンピック)2024男子サッカー競技・準々決勝、U-23日本代表対U-23スペイン代表が現地時間2日に行われた。試合は0-3でU-23日本代表が敗戦となった。この試合では、主審の不可解な笛があった。日本はスペインに負けたのではなく、主審に負けたのかもしれない。




 今回の試合で笛を吹いたのは、モーリタニア人のダハン・ベイダ主審だ。32歳と若い審判ではあるが、CAF(アフリカサッカー連盟)のチャンピオンズリーグやアフリカネーションズカップ決勝、U-17ワールドカップなどアフリカ大陸外でも笛を吹いた経験がある。

 日本対スペインの開始1分、高井幸大からのボールに反応し、DFラインの裏に抜け出そうとした三戸舜介をエリック・ガルシアが倒してしまい、ファウルの判定。ガルシアにはイエローカードが提示された。抜け出せば決定機というところで、この警告がこの試合の一つの基準になるジャッジとなったことだろう。だが、その後の判定には疑問が残るところがある。

 データサイト『Sofa Score』によると、この試合のファウル数は日本の15に対し、スペインは8しかなかった。これだけ差がつくのは違和感がある。立ち上がりの大畑歩夢のファウルは、そもそも相手に触っていない。斉藤光毅が後ろから完全に押されていた場面はファウルすらなかった。ジャッジに一貫性があったとは言い難い。

 27分の日本のオフサイドとなったシーンは明らかにオンサイドだった。関根大輝のスルーパスに右サイドで山田楓喜が反応して抜け出したが、これがオフサイドの判定。横から見ている副審はオンサイドと判定し、フラッグを上げなかったが、斜め後ろから見ていた主審がオフサイドと判断した。映像を確認すると、関根がパスを出した瞬間、明らかに山田は最終ラインの後ろにいたが、近くで見ていた副審よりも遠くで見ていた主審の判断でオフサイドとなってしまった。

 50分、右サイドで藤尾翔太が小久保玲央ブライアンからのロングフィードを肩付近でトラップ。ボールが流れると、タッチライン際でフアン・ミランダが体を寄せてきたところに藤尾が足を上げてボールに触り、最後はミランダの手に当たってラインを割った。判定は藤尾のファウル。ミランダは顔を抑え、その場に倒れ込んでいた。しかし、実際に映像を見てみると、ボールはミランダがガードした手に当たっており、藤尾の足も直接顔に当たっていない。すぐ近くで見ていた副審はファウルの合図を出しておらず、その場を流していた。しかし、ベイダ主審はすぐさま笛を吹いてファウルの判定を下している。

 さらに71分、日本陣内でボールを受けたアイマル・オロスがドリブルで仕掛けると、藤尾がプレスをかけに行く。右から山本理仁もボールに奪いに行こうとするが、オロスが倒れてファウルの判定。倒したと判断された山本にイエローカードが提示された。しかし、映像を確認すると、山本の足はオロスの足にかかっていないようにも見える。オロスのアピールも大袈裟なようにも見え、これがファウルで、さらに警告というのは厳しすぎる。

 結局、このファウルで与えたFKがCKにつながり、そのCKから日本は勝敗を決める2失点目を喫してしまう。結果論ではあるが、主審の笛が日本の運命を変えた。

 その他にも日本に対するジャッジが厳しい場面も見受けられており、後味の悪い試合になった。もちろん、日本の失点はスペインの実力によるものではあるが、主審の判定によってリズムを崩された感は否めない。選手のパフォーマンスはスペインと五角だっただけに、悔しい敗戦となった。

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【了】

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