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12秒の沈黙と「ダメだね…」大岩剛監督、サッカーU-23日本代表敗退後に受け止めた現実「実力が…」【パリ五輪現地情報】

text by 編集部 photo by Getty Images

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U-23日本代表指揮官の大岩剛監督
【写真:Getty Images】

言葉を詰まらせた大岩剛監督

 サッカーU-23日本代表は現地時間2日、パリ五輪(パリオリンピック)準々決勝でU-23スペイン代表と対戦し、0-3で敗れた。試合後、大岩剛監督は冒頭で、「悔しいですね」と言った。0-3というスコアほど、両者の差は開いていなかったようにも見えるが、大岩監督は試合をこう振り返った。




「特に前半、我々が支配できる時間も長かっただけに、タラレバですけど、試合を優位に進めるチャンスはあった」と言う。勝つチャンスはあったことが、指揮官の悔しさを増長させているのだろう。それでも、「そこで決めきれないということは、まだまだ我々の実力が足りないんじゃないかな」と現実を受け止めた。

「(U-23日本代表の活動が)終わりなので、感謝の気持ちをみんなに伝えて、サムライブルー(A代表)に1人でも多く入るというのが私自身の望みだし、成長した姿を見たいなって思います」

 10分近くに及んだミックスゾーンでの取材対応中、大岩監督は何度か言葉を詰まらせる場面があった。「オリンピックを目指す上でいろんな壁、障害がありましたけど、選手が本当に成長したと思います。若い選手たちなんでね。まあ、いろんな…」。

 12秒間の沈黙が流れたあと、指揮官は「ダメだね」とつぶやいた。下馬評が低い中でアジア予選を突破し、オーバーエイジ不在に加え、久保建英や鈴木彩艶、松木玖生や鈴木唯人といった実力者抜きで本大会を戦うことになった。そんな状況でも大岩監督がU-23日本代表を信じ続けたからこそ、ベスト8までたどり着いた。

 言葉の真意を聞くことはできなかったが、金メダル獲得という目標にたどり着けなかった悔しさ、重圧から解き放たれた安堵感、そして、選手たちを勝利に導くことができなかった申し訳なさ……。推測でしかないが、沈黙が続く間、そういった様々な感情が大岩監督の頭にあったのかもしれない。

(取材・文:加藤健一【フランス】)

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【了】

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