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「あとで聞いたら…」なでしこジャパン、浜野まいかを五輪に導いた“恩師”の助言。「鳥肌が立つ」準々決勝で再会へ【パリ五輪】

シリーズ:コラム text by 折原亘 photo by Getty Images

浜野まいかを五輪に導いた恩師の言葉

 浜野はナイジェリア女子代表戦前に「今季からイングランドでプレーすることになって、エマ・ヘイズ監督は今まで出会ったことのなかった監督というか、もう一度監督のもとでプレーできるなら一緒にしたい」と語った。また、ヘイズ監督について浜野は「全てを分かっている気がする」と表現した。


 その真意について「戦術面というか、あの試合で勝たなければ優勝はないってなってる時に、今までずっとスタメンとかじゃなくて、急に練習試合でサイドバックとかやらされて」とFWではなくDFで起用されていたことを明かした。それでもヘイズ監督を信じて、自分のできることをやってきた浜野は次のように話している。

「あそこのポジションで出してもらえて、あとで聞いたら、やっぱりチェルシーというところでプレーするなら、五輪の18人に選ばれるなら、FWだけやっているところを監督にアピールしても、あなたは18人っていう狭い枠で、いろんなポジションをできていた方が、選ばれる確率が上がる。本当に全部考えて、右サイドのポジションとか、サイドバックも練習させてもらえました」

 この大舞台に這い上がることができたのは恩師・ヘイズ監督の助言があったからだ。ナイジェリア女子代表戦では五輪初ゴールを記録して日本のグループリーグ突破に貢献。そして、パリ五輪準々決勝の相手は、ヘイズ監督率いるアメリカ女子代表だ。

 昨季のWSL戦終了後にアメリカ女子代表の指揮官に就任したヘイズ監督は、短い時間でチームを作り上げてきた。エースだったアレックス・モーガンを選外にするなど、様々な意見が飛ぶ中、パリ五輪のグループリーグでは3戦全勝で準々決勝まで勝ち上がった強敵だ。

 浜野はヘイズ監督との再会について「本当に今考えるだけで鳥肌が立つというか、まず楽しみ。まず会えることが楽しみですね。絶対に勝ちたいし、本当にエマは日本にも何回も来ているし、日本が大好きでリスペクトもしてくれて、でも試合になったら勝たないといけない」と話す。恩師が率いるアメリカ女子代表を破り、浜野は恩返しをすることができるだろうか。

(文:折原亘、取材協力:加藤健一【フランス】)

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【了】

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