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「本当に酷い状態」スキャンダルは国内にも影響?カナダ女子代表OBが懸念「選手は一生懸命努力しているのに…」【パリ五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

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準々決勝進出のカナダ女子代表
【写真:Getty Images】



スキャンダルが長期的な影響をもたらす?早急な改革が必要か

 カナダ女子代表は現地時間7月31日、パリ五輪(パリオリンピック)2024・女子サッカーのグループA組第3節でコロンビア女子代表と対戦し、1-0で勝利。その裏では、日常的にスパイ行為を行なっていたことが発覚。元サッカー選手のヘレン・ストンボス氏は長期的な影響を心配していると、カナダのテレビ局『CTV』が報じた。


 事の発端は、カナダ女子代表の初戦ニュージーランド戦が行われる前に、カナダ女子代表のスタッフであるチームアナリストのジョセフ・ロンバルディ氏が、ニュージーランド女子代表の練習をドローンで偵察していたところ、捕まったことにある。それにより、カナダ女子代表は勝ち点6剥奪、カナダサッカー協会には多額の罰金が科せられ、ベブ・プリーストマン監督を含む3人のスタッフは1年間の資格停止処分を受けることになった。これに対し、カナダオリンピック委員会(COC)とカナダサッカー協会はスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ上訴したが棄却されている。そして、国際サッカー連盟(FIFA)はプリーストマン氏がやり取りしていた電子メールの一部を公開。スパイ行為の正当性を主張するような内容もあった。

 しかし、1993年から2000年までカナダ女子代表として活躍したストンボス氏は長期的な影響を懸念し「私たちは今、本当に酷い状態。カナダのサッカーについて考える人なら、誰でもこの大失態を思い出すでしょう」と語っている。勝ち点6剥奪の処分については「それはFIFAが、トーナメントから追い出されることなく、基本的にトーナメントから追放されるのと同じであると言っているようなものだ」とし、「選手たちは一生懸命努力している。選手たちの最善の利益を見守るはずのスタッフが、愚かな決断によってチャンスが損なわれるのは、あってはならないこと」と答えた。

 同メディアによると、すでにカナダ国内ではスキャンダルの影響が出ており、カナダのスポーツ大臣が国家サッカープログラムへの資金提供を差し控えると述べたという。認可を受けている一つのウォータールー ユナイテッドでは「カナダがニュージーランドに対して実際にそんなことをしていると聞いて、ちょっとショックだった。突破するために不正をしなければならなかったという、ある種の否定的な意味合いをもたらす可能性がある。どのクラブもペイ・トゥ・プレイに依存しているため、今のところ男子チームと女子チームは、カナダの認可に頼らなくてもユースの育成にそれほど影響はないだろう」とし、現時点では心配していない様子を見せている。

 カナダの女子代表だけでなく男子代表でも以前からスパイ行為が行われていた可能性があり、ストンボス氏は「その文化が何なのか、なぜこのようなことが起きているのか、もっと深く調べる必要がある。この機会を利用して、どのような欠点があるのか、どのように改善していくのかを見せてほしい」と、改善を要求した。2026年にはカナダ・メキシコ・米国の三カ国共同開催のワールドカップが予定されているだけに、早急な改革が必要になるだろう。

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【了】

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