「声を出すのもチームのため」「いつ来るかわからない出番のために…」
「バックアップメンバーで来たからには、何か爪痕を残そうかなと、いろんな意味でポジティブにできたらいいなと思っています。いつ出番が来るかは分からないので、いつでも行けるよっていうのは常に示す。それはチームでも代表でも変わらずやることだと思っている」
この日の練習は10人で行われた。植中は声を張り上げ、鈴木は叫び、チームメイトたちに熱量を伝えていた。「勝負強さを見せられたらいいなと思っているし、そのためにも、試合に出なかったメンバーで練習したりするときに一番走って、一番声を出すっていうのは大事だと思う。声を出すのもチームのために、そういう意味でやりました」
所属する横浜F・マリノスにはアンデルソン・ロペスという昨季のJ1リーグ得点王がおり、加入した昨季は出番が限られていた。でも、植中はそこから少しずつ信頼を掴んでいく。今季はAFCチャンピオンズリーグの準決勝で2得点、決勝でもゴールを決めた。天皇杯では2戦2発。リーグ戦では途中出場も多いが、試合終盤にいくつもゴールを決めている。
「秘訣とかは特にないですけど、諦めずに最後までゴールを取る気持ちを持ち続けている」と話す。いつ来るか分からない出番が回ってくるその時のために、彼らは準備を続けているのだ。
それぞれが、フランスの地まで持ってきた思いは異なる。それでも、ピッチではそれが一体となり、エネルギーを生んでいた。半田がつけていた背番号2を継いだ鈴木はこう言う。