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浜野まいかは苦しい過去を乗り越えた。なでしこジャパン20歳FWは異国で「メンタルの浮き沈みが…」【パリ五輪現地コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by JMPA

「会えるのが楽しみ」夢の五輪で再会を果たすのは…



「見ている人が心を打たれるような感動を届けるプレーをしたい」という浜野は、3年前の東京五輪のことをよく覚えている。「岩渕真奈選手が感情を表に出してインタビューされていたのを覚えていて、その言葉や表情、伝えたい思いというのが伝わった」と言う。

 今度は浜野が感動を届ける番になった。スペイン女子代表との初戦、続くブラジル女子代表戦は結果として明確な数字を残せなかったが、ナイジェリア女子代表戦に向けては「楽しみ」と意気込み、「中2日で試合が来るのは疲労もあるけど、うれしい気持ちがあります」と話していた。

 その前向きなエネルギーは、初戦と同じ会場、ナントのスタッド・ドゥ・ラ・ボージョワールでゴールという形で表現された。パスの名手・長谷川唯が出したスルーパスに反応した植木理子が絶妙なタイミングで裏に抜けた。ファーサイドにいた浜野は一気にギアを上げてゴール前に走り込み、折り返しを押し込んでゴールネットを揺らした。

 怪我から1年。浜野は頼もしい姿をフランスで見せている。なでしこジャパンはグループリーグを2勝1敗の2位で通過し、準々決勝でアメリカ合衆国女子代表と対戦する。敵将はチェルシー時代の恩師エマ・ヘイズ監督だ。

「会えるのが楽しみ。絶対に勝ちたい」

 いつものように浜野は笑っていたが、その目は真剣なものだった。

(取材・文:加藤健一【フランス】)

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【了】

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