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浜野まいかは苦しい過去を乗り越えた。なでしこジャパン20歳FWは異国で「メンタルの浮き沈みが…」【パリ五輪現地コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by JMPA

「成長できた大切な時間」を経て、イングランドで見せた活躍



「ケガでサッカーができない時間が多かった。自分と向き合う時間が多かったので、メンタル的にも成長できたと思う。自分にとっては大切な時間だった」

 大切な時間を経て、浜野はピッチに戻ってきた。ウインターブレイク前最後の試合となる12月17日のブリストル・シティ戦で復帰を果たす。そして、4月の2024 SheBelieves Cupで、なでしこジャパンに帰ってきた。3位決定戦となるブラジル女子代表戦では、長谷川唯からパスを受け、右サイドからピンポイントクロスを通して田中美南のゴールをアシスト。さらに、4月17日のアストン・ヴィラ戦では右サイドからのクロスに反応して復帰後初ゴールを決めている。

 躍動感あふれる浜野のプレーが戻ってきた。FA女子スーパーリーグ最終節では左サイドからのクロスに飛び込みトッテナムから先制点を奪う。これが決勝点となり、チェルシーは5連覇を達成した。リーグ戦は6試合に出場して2得点という成績だが、サポーターに浜野の存在を強く印象付けたシーズンとなった。

 6月3日のニュージーランド代表戦でも2得点を記録して、五輪メンバーにも名を連ねている。今月10日に行われたヴィアマテラス宮崎との練習試合でもゴールを決め、13日のガーナ女子代表戦でも1得点1アシストと結果を残した。

 中学1年生のときに立てた「東京五輪に出る」という目標は果たせなかった。それでも、大好きなサッカーを楽しみ、苦しい時期を乗り越え、五輪という舞台にたどり着いた。

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