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「奇妙に思える」なぜ危険を冒してドローン偵察?批判だけでなく疑問の声も「監視対象として優先されたのかは不明」【パリ五輪】

text by 編集部 photo by Getty Images

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パリ五輪の女子カナダ代表
【写真:Getty Images】



女子カナダ代表、関係者がドローン偵察の違反

 女子カナダ代表は関係者によるドローン偵察によって勝ち点6剥奪されることになった。批判の声が挙がる一方で、疑問の声も浮上している。カナダの公共放送局『CBC』が、問題となった女子ニュージーランド代表の練習施設について分析し、奇妙な出来事との結論を下した。


 事の発端は、女子カナダ代表の初戦ニュージーランド戦が行われる前に、女子カナダ代表のコーチングスタッフの一員であるチームアナリストが、女子ニュージーランド代表の練習をドローンで偵察していたところ、捕まったことにある。それにより、女子カナダ代表は勝ち点6剥奪、カナダサッカー協会には多額の罰金が科せられ、ヘッドコーチのベブ・プリーストマンを含む3人のコーチは1年間の資格停止処分を受けることになった。これに対し、カナダオリンピック委員会(COC)とカナダサッカー協会はスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ上訴しており、最終節のコロンビア戦直前に審理の結果が出る予定である。

 衝撃的な出来事があったが、女子カナダ代表は初戦のニュージーランド戦で2-1の勝利をおさめ、第2戦のフランス戦も2-1で勝ち、2連勝で勝ち点をマイナスからゼロへ戻した。最終節のコロンビア戦に勝利すれば、自力での決勝トーナメント進出が決まる。そんな中、同メディアは「倫理的およびスポーツマンシップの問題はさておき(言うまでもなく、ドローンの使用はトレーニング場では禁止されている)、スタッド・オーギュスト・デュリーの設備を考えると、これほど危険を冒す決断はさらに奇妙に思える」と報じた。

 続けて「練習場には周囲に設置されたメッシュフェンスのほとんどに半透明のオリンピック旗が掲げられているが、隙間がたくさんある。低く垂れ下がった枝は、視界を部分的に遮るだけだ。ドローン映像で確認できる重要なトレーニング情報の一部である選手のフォーメーション、ペナルティキックの練習、セットプレーなどは、フェンス越しに丘の下から覗くことでほとんど確認できた。会場入口近くの歩道は、サイドラインから目と鼻の先。近くの道路は交通量が多く、常にざわめきが聞こえ、コーチや選手がトレーニング中に行う声が聞こるほどだ。フィールドの上の丘の上にある個人宅や小売店からもピッチの景色を眺めることができる。先週、カナダの練習が2回行われた間、数人の警備員が会場内を巡回した。カナダの最終練習の途中、好奇心旺盛な地域住民が会場の入り口に車を停めた。少し話し合った後、その住民は車を引き返すよう言われた。一方、オリンピックチャンピオンを一目見ようと待ち焦がれた若い英国のサッカーファンは、何の問題もなくフェンスのすぐ向こうの近くのベンチに静かに座っていた」と、疑問に思うことがいくつもあると指摘している。さらに「女子ニュージーランド代表のFIFAランキングはグループAで最下位の28位だが、なぜ監視対象として優先されたのかは不明だ。8位のカナダとの直接対決はこれまで16回で1勝しかしていない」とも伝えた。

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【了】

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