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清水梨紗は「対策はバッチリ」と言っていた。なでしこジャパンはなぜブラジルを撃破できたのか?【パリ五輪現地コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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 なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)は現地時間28日、パリ五輪(パリオリンピック)グループリーグ第2節でブラジル女子代表と対戦し、2-1で勝利を収めた。前半にPK失敗、後半に先制を許す苦しい展開から逆転。選手たちの証言から、劇的な勝利にたどり着いた要因を探る。(取材・文:加藤健一【フランス】)


逃し続ける決定機。なでしこジャパンの苦しい戦い

なでしこジャパンMF谷川萌々子
【写真:JMPA代表撮影】

 試合序盤は高い位置でインターセプトする場面も見られたが、時間が立つにつれてブラジル女子代表のペースが上がり、流動的なパスワークとマンツーマンディフェンスに苦しめられた。

 一方でチャンスも作ってはいたが、ゴールが遠い。19分には山下杏也加のフィードを宮澤ひなたが受け、折り返しを田中美南が合わせたが、ゴールの枠を捉えられず。

「自分のプレー的に悪くなかったですし、相手もスペースを大きく開けてくる中でうまくチャンスも作れていた」と田中が言うように、なでしこジャパンはディフェンスラインの裏にあるスペースに3トップが積極的に走ることで、チャンスを作ろうとしていた。ただ、ゴールが遠い。田中は「本当に自分がチャンスを決めきれなかったところだけ」と自分を責めた。

 それでも前半の終わりころには少しずつ攻め込む時間も作れるようになった。左ウイングバックの守屋都弥のシュートが相手の腕に当たり、PKを獲得。しかし、これを田中が外してしまう。「得点のところもPKのところも、準備して入ったんですけど、自分にがっかりしました」と田中は振り返る。

 ブラジルはハーフタイムに3枚替えを敢行し、ギアを上げてきた中で先制に成功する。しかし、なでしこジャパンは最後までボールを追い続け、ゴールに向かって走り続けた。逆転できたのには理由がある。

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