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サッカーU-23日本代表、“リベンジ”成功の理由。マリにとっての予想外、崩壊は起こらなかった【西部の目/パリ五輪】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

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サッカーU-23日本代表は現地時間27日、パリ五輪(パリオリンピック)2024・男子サッカー競技のグループリーグ第2節でマリ代表と対戦し、1-0で勝利。この結果、1試合を残してグループリーグ突破を決めた。今年3月の親善試合で1-3の敗北を喫した相手にリベンジできた理由とは。(文:西部謙司)

▽著者プロフィール:西部謙司

1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン、)近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。

脅威だった「リーチ・高さ・懐」

U-23日本代表
【写真:Getty Images】

 U-23マリ代表には、3月の強化試合で完敗を喫していた。特有のリーチの長さ、ドリブルの懐の深さ、セットプレーでの高さは今回も脅威だったが、U-23日本代表はあのときよりも格段に対応できていて、今回は接戦に持ち込めていた。

 81分に山本理仁のゴールで先制。ロスタイムにPKをチェキナ・ドゥンビアが外す。際どい勝負だったのは間違いなく、むしろマリの方がやや優勢だった。ただ、日本はもともと接戦を前提とした戦い方であり、このチームらしい勝利でもあった。

 初戦から先発を3人代えている。2得点の三戸舜介ではなく荒木遼太郎を先発起用。初戦で、負傷した平河悠に代わって出場し2ゴールをあげた藤尾翔太もベンチに置いて山田楓喜。CBも木村誠二ではなく西尾隆矢。選手のクオリティが均質化していて連係しやすく、総力戦向きという日本らしさが出ている。中2日の試合が続く過密日程はすでにアジア予選で経験ずみ。藤尾、三戸は57分から登場。佐藤恵允も69分に投入。最後まで強度を落とさずにプレーできた。

 ただし、日本の守備強度が優位だったのは立ち上がりの10分間程度だけだ。その後は押し込まれている。

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