総力戦に強いのは予選時から示していた
斉藤が得意の瞬間的な加速でペナルティエリア内左を突破、折り返しを三戸がヘディングで決めて2−0とリードを広げると、さらに山本理仁が3点目。藤田がアウトサイドのパスで佐藤恵允を走らせ、佐藤の突破からのクロスを斉藤が収めて左へ流し、山本が狙いすましてシュートというきれいに崩し切ったゴールだった。
荒木遼太郎のFKを藤尾翔太がヘディングで決めて4−0、カウンターから細谷→藤尾と渡って5−0。ゴールラッシュで初戦を飾った。
相手が前半に退場者を出したことで流れが決まっている。ただ、それ以前のプレーもやや優勢だった。
フィジカルコンタクトでやや劣勢ではあったが、組織的な守備は安定感があり、相手の長所であるハイプレスも落ち着いて外していた。先制点もとれた。攻守に圧巻だった藤田、左のトライアングル(斉藤、三戸、大畑)の連係の良さ、交代出場した佐藤、藤尾、荒木、川崎颯太も先発と遜色ないプレーをみせた。半田陸が開幕前に負傷離脱しており、西尾隆矢を大畑に代えて左SBに起用したのは、今後の布石になるかもしれない。
総力戦に強いのは予選時から示していた長所だった。予選では不在だった斉藤、三戸の加入は攻撃に新たな力を与えている。幸先の良いスタートとなった。
(文:西部謙司)
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