斉藤光毅が見つけた「辛い時期を乗り越える方法」
「出たときを見据えて考え続けられるかが、辛い時期を乗り越えられる方法だと思っている。それを考えることが自分の経験値になるし、出られないとき、ちょっと出られるようになった時にどういうプレーができるのか。そういう引き出しも増えてくるので、本当に考え続けることが大事だと、この3年半で感じることができた」
準備し続けてきたからこそ、チャンスが訪れたときに結果を残すことができた。ロンメル加入から半年、21/22シーズンは開幕節から2試合連続ゴールを決め、自身の立場を不動のものとした。ロッテルダムに期限付き移籍で加入した最初のシーズンも開幕節はベンチスタートだったが、デビュー戦で2アシストをマークしている。
このとき、斉藤は所属事務所を通じて、このようなコメントを残している。
「『試合に出たら、ちょっとしたきっかけで選手やスタッフ、サポーターからも信頼されるようなプレーができるはず!』と、ずっと自分に言い聞かせてきたので、準備してきてよかったなと思っています。『今日のデビュー戦で苦しい期間を抜け出せたのかな』と今後思えるように、また練習から頑張っていきたいです」
斉藤が欧州でもがいている間に、チームメイトたちはAFC U-23アジアカップを制してパリ五輪の出場権を獲得した。メンバーは23人から18人に絞られ、斉藤ら海外組も加わったことで、メンバー入りを逃した選手もいる。
「五輪に出られることになってワクワクしているし、選ばれなかった人、来たくても来られなかった人たちのためにも、しっかりと責任を持って戦いたい。来られなかった人のもどかしさ、悔しさというのは、アジアカップのときよりも強く感じると思うので、そういう人たちが見て恥じないプレーを全員がしないといけない」
異国の地で心身ともにタフになった斉藤は、これまで培ってきたものをパリ五輪にぶつける。大会前にはこのように話していた。