「自分にとっては一番辛いし、苦しい」「苦しい思いをしている自覚はある」
「世界大会」は、斉藤自身にとって3回目となる。ただ、過去2回はいずれも怪我の影響で、本来のパフォーマンスを見せることはできていない。2017年のFIFA U-17ワールドカップでは大会直前に負傷して初戦の2日前にチームを離脱、19年のFIFA U-20ワールドカップでは試合中に負傷して決勝トーナメントを前にチームを離れている。「何よりサッカーができないことが、自分にとっては一番辛いし、苦しい」と斉藤は言う。
パリ五輪を控えた23/24シーズンも、怪我に悩まされることになる。昨年9月、相手選手と接触した際にハムストリングを負傷して、イギリスで手術を受けた。斉藤を保有するロンメルSKはシティ・フットボール・グループの傘下で、斉藤はシティの施設でリハビリを行った。
「マンチェスターでリハビリしていた。本当にきつかったし、苦しく感じた」
4か月に渡って欠場が続いた斉藤は、1月28日のリーグ戦で復帰を果たした。「復帰した後のことをしっかり見据えていたし、しっかり活躍できる準備をしていたので、(リハビリも)腐らずにできた」と話すように、怪我のブランクを感じさせないプレーを見せた。
「そんなに順調にいっている感覚はなくて、どの移籍でも毎回出られない時期もあったし、その立場を作るまでに苦しい思いをしている自覚はある」
欧州に渡った日本人選手の多くは、文化や言語、サッカーの違いに直面する。斉藤も決して例外ではないだろう。それでも、1つひとつその壁を乗り越え、限られた出場機会の中で信頼を積み上げてきた。苦しさや悔しさが、斉藤を強くする。
斉藤は自分なりに「苦しい時期を乗り越える方法」を見つけている。