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19歳が世界を驚かせる!なでしこジャパン谷川萌々子を突き動かす「過去」。スウェーデンで衝撃的活躍の理由【パリ五輪コラム】

シリーズ:コラム text by 折原亘 photo by Getty Images

谷川萌々子が現地で与えるインパクト「準備の質の高さは…」



 JFAアカデミー福島出身の谷川は2024年1月にバイエルン・ミュンヘンへの加入が発表され、同時にローゼンゴードへレンタル移籍となった。レンタル選手、高卒ルーキーでありながらローゼンゴードで与えられた背番号は10。チームからの期待の高さもうかがえる。

 前述の通り谷川は公式戦で14試合に出場し、13ゴールを記録。海外1年目でのこの活躍はこれまでの谷川を見れば驚くべきことではない。JFAアカデミー福島時代、2021と2022シーズンのなでしこリーグ2部では7得点、2023シーズンでは5得点を記録。2部ではあるが、高校1年時からなでしこリーグの選手たちを圧倒するほどであった。

 本来のポジションはボランチだが、ローゼンゴードでは一つ高い位置であるトップ下やシャドーでプレーすることもある。トップ下でのプレーについて谷川は「トップ下あたりでのプレーは自分自身での強みではあるので、代表でも一個前でボールを受けてもっと得点につながるプレーを増やしていきたいと思います」と語る。

 なでしこジャパンでは、アンカーやダブルボランチでプレーするが、ここは激戦区。⻑谷川唯と⻑野風花の主力に加え、林穂之香もこの位置でプレーする。今回選出されていないメンバーでも実力者は多い。ただ、谷川の決定力は日本の攻撃力をアップさせることができるだろう。

 また、1年目から海外で活躍できているが、その理由について「球際のところでガツガツ来る中で、自分自身は負けないためにフィジカルの向上だったり、ボールを持っていない時の準備の質の高さは自分で求めてやっていたので、そこは海外でも向上できている」と谷川は語る。

 今年4月に行われたアメリカ遠征の初戦アメリカ合衆国女子代表戦ではその成⻑が垣間見えた。それは開始1分の清家貴子のゴールをアシストしたシーンだ。マロリー・スワンソンにドリブルで剥がされてしまうが、その後、⻑谷川にボールが渡った瞬間に谷川はすぐさまボールを要求。そしてダイレクトで浮き球のパスを供給し、清家のゴールに繋がった。このシーンは谷川の準備の良さが出たシーン。守備からすぐさま切り替え、準備ができたことによりダイレクトで清家にパスができていた。海外で向上できていることを証明したと言ってもいい。

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