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なでしこジャパン長谷川唯が知った「世界との差」。「自分の好きなスタイルで」世界最高峰で活躍できる理由【パリ五輪コラム】

シリーズ:コラム text by 折原亘 photo by Getty Images

アンカー長谷川唯が発揮する持ち味

なでしこジャパンMF長谷川唯
【写真:Getty Images】



 それまでインサイドハーフやトップ下など攻撃的なポジションでプレーすることが多かったが、ガレス・テイラー監督のもとで長谷川は4-3-3のアンカーに起用されている。多くの試合でボールを保持する時間の多いシティでの役割はパスを繋ぎ、ゲームを作ること。アンカーの位置でボールを奪われてしまうと、カウンターを受けて命取りになってしまう。それほどプレッシャーを受けるポジションでもある。

 長谷川が世界最高峰のチームで生き残れる理由の一つにパス精度の高さが挙げられる。中盤からサイドの選手へのロングボールやサイドチェンジなど、シティでは持ち前の展開力を発揮。長谷川が「縦パスの部分は日本でやっている頃から得意な部分ではありましたが、よりポジションが後ろになったことで、距離が長くなったり、みんなに見てもらえる機会が増えたのかなっていうのはひとつある」と話すように、縦へのパスは武器でもある。

 なでしこジャパンでは3-4-3のダブルボランチの一⻆でプレーし、シティとはシステムも役割も異なってくる。それでも長谷川は「クラブでの試合の時に前へ行くのを少し我慢したりとか、バランスを取るようにしているので、本来自分のプレースタイルはこの3-4-3のボランチはすごく自分に合っているんじゃないかと思うので、そこまで難しさとかはないのかもしれないです」とクラブと代表でのギャップは感じていない。

 むしろ3-4-3は長谷川本来の力を発揮でき、その力を最大限に活かすことができるシステムだ。パリ五輪に向けた日本での合宿1日目終了後に「自分自身、周りの選手の特徴に合わせたプレーは得意な方なので、周りの選手の特徴を最大限に活かせるプレーを自分ができたら、自分のプレーも活きると思う」と話した長谷川は、その言葉通りのプレーを合宿で見せた。

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