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なでしこジャパン長谷川唯が知った「世界との差」。「自分の好きなスタイルで」世界最高峰で活躍できる理由【パリ五輪コラム】

シリーズ:コラム text by 折原亘 photo by Getty Images

マンチェスター・シティでの2年間。長谷川唯が目の当たりにしたもの


 怪我の影響もあり、シティへの移籍後すぐには出場できなかったが、2022年10月16日のレスター戦でデビューを果たすと、いきなりの初ゴール。慣れないアンカーでのプレーながらも、ペナルティエリア付近からミドルシュートでゴールを決めた。その後も主力として活躍を続け、2022/23シーズンはリーグ戦20試合に出場し、1得点1アシストを記録した。

 そして、長谷川は2023年7月にオーストラリアとニュージーランドで行われたFIFA女子ワールドカップに出場。準々決勝で日本の前に立ちはだかったのは、またしてもスウェーデンだった。試合は2点を失う厳しい展開となり、終盤に林穂之香のゴールで1点を返したものの、1-2で惜しくも敗戦。女子サッカー最高峰のリーグでプレーし、成長を遂げていた長谷川だったが、世界の頂にまたも届かなかった。

 2023/24シーズン、長谷川はシティでリーグ戦の全試合に先発出場。前年度4位だったチームは最後までチェルシーとの優勝争いを繰り広げ、2位で来季のUEFA女子チャンピオンズリーグ(WCL)予選への出場権を獲得した。「勝負所で勝てなかったのが凄い大きいかなって思う。自分たち(の力)で優勝できるっていうところで、逃してしまったと思うので、そのラストの経験っていうのは足りなかったのを感じた」とあと一歩のところで優勝を逃した理由を挙げつつも、「昔からクラブでWCL(UEFA女子チャンピオンズリーグ)に出たいっていうのがあって、本当に自分の好きなスタイルで世界で戦えるっていうのは楽しみ。自分のプレーがイングランド国内だけでなくて、欧州内でどれだけ通用するか、試すっていうのも凄い楽しみ」と意気込みを語っている。

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