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【特集:松井大輔のドリブル分析】平河悠が「突破成功率を上げるには…」。パリ五輪では「重心のかけ方を修正する必要がある」

シリーズ:松井大輔のドリブル分析 text by 松井大輔 photo by Getty Images

「スパイクの準備をしっかりしたほうがいい」


 U-23日本代表は全員守備による即時奪還と、ボールをしっかりとつなぐポゼッションサッカーを主体としています。ヨーロッパでもそのようなサッカーをするチームが、リーグ戦の上位を占めています。年間を通して行うリーグ戦では、そのようなチームが勝つ確率が高いと言えるのですが、ワールドカップや五輪のような短期決戦では、ボール保持率の高くないチームが勝ち上がることがあり、そのような図式は成立しません。

 現状の日本代表が強豪国を相手にどこまでボールをつなぐサッカーができるのかも気になるポイントですが、それがうまくできなかったときの次なる一手をどうするのかという部分に期待しています。それを準備していないと、おそらく勝ち上がっていけないでしょう。

 現地時間17日に行われたフランス戦でも、日本はビルドアップで手詰まりになってしまう場面が多々ありました。そうなったときに何をするのかがポイントで、見ている僕らをいい意味で驚かせてほしいと思っています。

 加えて、フランスでのプレー経験がある僕ができるアドバイスがあるとしたら、スパイクのスタッドをしっかり準備したほうがいいということになります。

 場所や季節によって変化はありますが、それでもフランスのピッチは日本に比べると柔らかいです。先述したフランス戦でも、足を滑らせている選手がいました。本番までに滑りにくいスタッドの高さを見出すように準備してもらいたいですね。

 スタッドの調整をしても足を滑らせる選手はいます。その場合は、体重のかけ方を修正する必要があります。足の外側に重心をかけていると、スタッドのない部分に体重がかかることになり滑りやすくなります。重心をやや内側にすることを意識すると、スタッドがしっかり芝とかみ合い滑らずに踏ん張れます。

 これに関しては慣れになるのですが、わずかな時間のなかでもしっかりと調整してほしいところです。

 選手個人の話をすると、僕も得意としたドリブルがうまい平河悠に注目しています。

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