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日本代表 2か月前

専門家が分析「断トツに高い」伊東純也の身体だからこそできる。デ・ブライネとの共通点と「重さをバネに変える仕組み」

シリーズ:コラム text by 水野裕介 photo by Getty Images

デ・ブライネと伊東純也の共通点は…


 また、伊東は状況によって2つの蹴り方を使い分けることもできるという。「スピードに乗った状態で身体を捻ってサイドからクロスをあげるときは、軸足の膝を抜いて蹴り足を内側に振り抜くのに対して、短い助走からアーリークロスなどをあげるときは、軸足の股関節を伸展させながら蹴り足を内側に振り抜きます。加えて、より強いボールを蹴りたいときには、蹴り足に身体の重さを伝えるために“みぞおちの前に胸を乗せる”こともします」

 強いボールを蹴りたいときに、よく「身体を被せる」という表現を使うことがないだろうか。股関節から上半身を折りたたむ動作になるが、状況に応じてみぞおちから上の胴体部分の重さを動作に参加させることで、上半身が後ろに煽られにくくなり、より強い力をボールに伝えることができるのだ。

 股関節の自由度が高い伊東だからこそできる使い分けであり、助走速度やボールの置き所に関わらず、球質やキックの強弱を自在にコントロールする能力も伊東は非常に高いのである。

 そんな伊東と同じような身体的動作の特徴を持ち、世界的に見てもキックの名手と言われている選手がいる。それはマンチェスター・シティ所属のケヴィン・デ・ブライネである。

 デ・ブライネが右サイドのハーフスペースに走り込み、グラウンダーの速いクロスをあげる光景はいつからか定番となり、ゴールキーパーとディフェンスラインの間に蹴り込む速くて鋭いクロスは多くのゴールを生み出してきた。

 このときのデ・ブライネのキック動作も、上半身の姿勢が崩れておらず、膝を抜いて、蹴り足を内側に振り抜いている。また、みぞおちの前に胸を乗せることで身体の重さが蹴り脚に伝わり、強くて速いボールを蹴ることができている。

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