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日本代表 2か月前

専門家が分析「断トツに高い」伊東純也の身体だからこそできる。デ・ブライネとの共通点と「重さをバネに変える仕組み」

シリーズ:コラム text by 水野裕介 photo by Getty Images

「膝を抜く動作」と「骨盤の捻り」


 話は約2年半前に遡る。FIFAワールドカップ カタール2022のアジア最終予選のホームでのサウジアラビア代表戦、自陣にいる右サイドバックの酒井宏樹からのロングスルーパスに対して、伊東はトップスピードでの相手との競り合いに勝ち、そのままグラウンダーの速いクロスを南野に通して日本代表に先制点をもたらした。

【動画】2022/02/01 日本代表対サウジアラビア代表

「スプリントしてからクロスをあげるときの動きを見てほしい。大事なのは上半身の姿勢を保持しながら踏み込みのタイミングを合わせる歩幅調整能力と、そこからの“軸足の膝を抜く”動作。膝を抜くことで自分のスピードをコントロールして、骨盤の捻りと連動して“蹴り足を内側に振り抜く”ことができる。伊東選手はこの一連の動作の能力が高いです」

 膝を抜くという動作は単に膝を曲げればいいだけの話ではないようだ。「軸足の膝を曲げて強く踏み込むことを意識しすぎると、クロスに必要な捻る動きがスムーズに出ず、結果的には体勢を崩してクロスがニアに引っかかったり、ゴールラインを割ってしまいやすい」

「伊東選手は軸足を踏み込んだ後に股関節をうまく使い、スピードに乗った身体の勢いを緩衝するとともに地面から反力をもらうことで、骨盤が連動して蹴り足を内側に振り抜くことができるんです。この動作のレベルが他の選手に比べて圧倒的に高いため、身体の重さが乗ったインパクトの強いキックが可能になります」

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