勝てない理由「ちゃんと負けていたら…」
リーグ戦で6試合続けて白星をあげられない、まさにもどかしい状態で、川崎は20日に敵地・三協フロンテア柏スタジアムで行われたJ1リーグ第24節に臨んだ。ヴィッセル神戸との第18節で敗れた後は5戦連続のドロー。しかも直近の4試合は、すべて75分以降に失点を喫した末に追いつかれていた。
思うように勝ち点を積み重ねられない理由はわかっていた。先制点は奪える。ただ、追加点が遠いまま、前半から飛ばしていた分だけ失速する。36歳の大ベテラン、FW小林悠は現状をこう語っていた。
「実際にプレーしている感覚として、本当にもうちょっとでつかめそうなところで勝てない。ちゃんと負けていたら、課題を直していかなきゃいけないけど、勝てていないけど内容がいいから難しい」
柏戦でも開始わずか4分に、左膝半月板損傷から約3カ月半ぶりに復帰したDF三浦颯太のクロスを、FW山田新が右足ボレーで合わせて先制。10分にはFW家長昭博が右サイドから、利き足とは逆の右足で送った絶妙のクロスにファーで再び山田が、今度は頭で反応してゴールネットを揺らした。
川崎が試合中に2点以上のリードを奪うのは、名古屋グランパスとの第17節以来、実に7試合ぶりだった。このときは最終的に2−1のスコアで、柏戦の前では最後となる白星をあげていた。しかし、直後の12分に柏のMF白井永地にJ1初ゴールを決められる。雷鳴がとどろく敵地に暗雲がたれ込みはじめた。
試合後の取材エリア。脇坂は「今日は…」と切り出し、直後に言い直しながらこう続けた。