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Jリーグ 4か月前

川崎フロンターレは「ちゃんと負けて」いないから難しい。試合終了までの、それぞれの思い「またか」「終わったと…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第24節、柏レイソル対川崎フロンターレの試合が三協フロンテア柏スタジアムで行われ、2−3でアウェイの川崎が勝利した。リーグ戦7試合ぶりの勝利となった川崎だが、この日も2点を先行してから追いつかれるという最近は定番の展開。勝利が確定するまで、イレブンは様々な思いを抱えていた。(取材・文:藤江直人)


「頭を抱えて後ろを…」いい意味で裏切られた

脇坂泰斗
【写真:Getty Images】

 敵地の夜空に響いたファン・サポーターの大歓声を介して、川崎フロンターレを率いる鬼木達監督は勝ち越しゴールに気がついた。実は肝心な場面で、ピッチに背を向けた体勢になっていたからだ。

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 柏レイソルを3−2で振り切った試合後の公式会見。鬼木監督が照れくさそうに状況を説明した。

「マルシーニョのシュートがキャッチされたと思い、頭を抱えて後ろを向いていました」

 指揮官の思いを、いい意味で裏切る瞬間が訪れたのは79分。自陣から敵陣へボールをもちあがった、右センターバックの大南拓磨のドリブルからはじまった。キャプテンのMF脇坂泰斗が振り返る。

「(大南)拓磨がいい形でボールをもちあがって、僕か(瀬古)樹にパスを出すかなと思ってそのときは準備をしていました。そのなかで樹にいいボールが入って、その後にちょっとマイナス気味のクロスからマルシーニョがシュートを打つ、となった瞬間には、体が自然と反応していた感じですね」

 大南が選択したのは、右角あたりからペナルティーエリア内へ侵入したMF瀬古樹への縦パス。ひと呼吸おいてから、瀬古は逆サイドを駆けあがってきたFWマルシーニョへマイナス気味のクロスを送る。しかし、マルシーニョの右足から放たれた一撃は、ダイブした柏のキーパー松本健太に阻まれた。

 鬼木監督が見ていたのはここまでだった。松本のファンブルには気がつかなかった。しかし、一縷の望みを託して、脇坂はゴール前へ詰める動きを怠らなかった。もっとも、こんな言葉もつけ加えている。

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