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Jリーグ 2か月前

北海道コンサドーレ札幌で鈴木武蔵が苦しんだ「ボタンのかけ違い」。宮澤裕樹が見たエースの背中「辛かったと…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「一緒に苦労していたから…」「札幌らしい試合ができた」



 鈴木自身もオフサイドの可能性が頭にあり、ゴールの直後はあまり喜べなかったというが、ゴールが認められた後に、仲間たちに祝福された鈴木は晴れやかな表情を見せた。ガンバ大阪時代からの同僚である高尾は「武蔵くんと僕は、ガンバで一緒に苦労していたから、僕のパスで武蔵くんが決めたのはとても嬉しく思っています」と振り返る。

 そして大雨と雷により45分遅れでスタートした後半、厚みのある攻撃からMF駒井善成による得点でリードを広げた札幌に、4点目をもたらしたのも鈴木だった。

 相手の縦パスをカットした高尾を起点にボランチの大崎玲央、浅野雄也、馬場晴也、青木亮太と繋いで、左斜めのパスをペナルティエリアの手前で鈴木がスルーで駒井に送ろうとする。そのボールはアンカーの安居海渡にカットされたが、すぐに拾い直した鈴木が体勢を崩しながらも左足を振り抜き、ゴール左に決めた。

 1点目とはまた違った意味でストライカーらしい得点について、鈴木は「うまくこぼれて来て、思い切って振り抜いた結果、入ってよかったです」と振り返る。

「札幌らしい試合ができたし、本当にみんな、ここ最近すごく良くなってきている中で結果が出ないという状況が続いていた。(1-1で引き分けた)神戸戦の前から三上(大勝代表取締役GM)さんとも話して、ここからどんどん勝ち点を積み重ねていくということで、みんな一致団結できていたので。ここから巻き返していきたいと思います」

そう前を向く鈴木だが、ここまで続いた苦しい時期について、率直な思いを明かす。

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