偉大なGKが活躍してきたパルマ
【写真:Getty Images】
パルマは、多くのトップレベルのGKが活躍したクラブとして知られる。クラブ史上初のセリエA昇格を果たした1990年からの2シーズン、クラブ黎明期のゴールを守ったのが、ブラジル人のクラウディオ・タファレルだ。昇格組にもかかわらず、記念すべきセリエAでの1年目の90/91シーズンは5位、2年目は6位に導き、高い守備力を誇示した。
3年目はマルコ・バッロッタにレギュラーの座を奪われ、93年夏には、レッジャーナへと活躍の場を移すが、1994年夏には、セレソンの守り神として、ワールドカップ優勝に貢献。当時のブラジル代表は、GKが弱点と揶揄された時代であったが、ブラジル人GKの悪いイメージを払拭させたGKだった。
パルマの下部組織出身で、“パルマの奇跡”と呼ばれた黄金時代を築き上げた一人は、ルカ・ブッチだ。スーパーカップとUEFAカップ決勝の舞台に立ち、クラブの栄光の歴史に名を刻んだプレーヤーである。イタリア代表歴は、3試合に留まるが、1994年のワールドカップでは、第3GKとして、チームを支えた。
それから、豪快なセーブで人気を博したフランス人のセバスティアン・フレイも忘れられない存在だ。インテル、ベローナ、フィオレンティーナ、ジェノアでもプレーし、セリエAでは通算446試合の出場実績を残した。外国人プレーヤーとしては、歴代5位の記録を持つ。インテルから移籍した2001年からの2年半は、中田英寿のチームメイトとしてプレーし、ドラゴンボールのマニアとしても有名だ。
そして、パルマが輩出したGKといえば、誰もが、真っ先に彼の名前を思い浮かべるだろう。
ナンバーワンの中のナンバーワン、ジャンルイジ・ブッフォンだ。世界有数のGKで、IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が発表した21世紀最初の10年における最優秀GKに選出されている。パルマでは、95/96シーズンにプロデビューを果たし、2001年夏にユベントスに移籍するまでの6年間と、現役引退した2023年夏までの最後の2年間をプレーした。このブッフォンの才能を見出し、育て上げたのが、パルマ出身の名伯楽、エルメス・フルゴーニだ。川島永嗣も大宮アルディージャ時代に指導を受け、その後、日本を代表するGKとなった。