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Jリーグ 2か月前

「やはり…そうですね…」川崎フロンターレの現状は、登里亨平の目にどう映ったのか。“敵”としての新たな景色と感情【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

黄金時代へ「こっちで変わらずに…」


 試合終了直後には大島とユニフォームを交換した登里は、再び身にまとったピンク色のセレッソのユニフォームで一人だけの場内一周を終えて引き揚げてくると、今度はFW小林悠とそれを交換した。

 セレッソのチームバスを先に出発させ、自らはタクシーを用意させてまで等々力に残った。ちょっぴりセンチメンタルになった再会の数々を終えた登里は、両チームを通じて最後に取材エリアへ姿を現したときには、クラブ創設30周年のシーズンに優勝させる、という使命とともに移籍してきた男の顔に戻っていた。

「似ている、という言い方が合っているかどうかはわからないですけど、ファン・サポーターの方々も本当に温かいですし、優勝を目指すというところで本当に似ているチームなのかなと思う。そのなかで自分の振る舞い方というのもこっちで変わらずに、同じことができるのかなと思っています」

 セレッソで登里が日々感じているのは、シルバーコレクターと揶揄された川崎が最終節での大逆転劇でリーグ戦を制し、初タイトル獲得とともに黄金時代へと通じる扉を開けた2017シーズンに通じる雰囲気。身長168cm体重68kgの小さな体に、濃密すぎるほどの経験を搭載した優勝への使者は、ピッチの上でイズムを還元できる瞬間、リーグ戦では12試合ぶりとなる戦列復帰を誰よりも心待ちにしている。

(取材・文:藤江直人)

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