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Jリーグ 3か月前

「やはり…そうですね…」川崎フロンターレの現状は、登里亨平の目にどう映ったのか。“敵”としての新たな景色と感情【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第23節、川崎フロンターレ対セレッソ大阪の試合がUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われ、1−1の引き分けに終わった。今季、川崎からセレッソに移籍した登里亨平にとっては、これが敵として迎える初めての等々力でのゲームとなった。そこで見た景色、古巣の現状とは。(取材・文:藤江直人)


「川崎さんも…」15年間を過ごした古巣に思わずハッとした

登里亨平
【写真:Getty Images】

 言葉にしてみて、思わずハッとしたのだろう。セレッソ大阪のDF登里亨平は「後半は川崎さんも…」と切り出した直後に不意に途切れさせ、そして「…川崎さんって」と驚いたように言い直した。

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 川崎フロンターレのホーム、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに乗り込んだ14日のJ1リーグ第23節。左ハムストリング筋損傷で長期離脱を強いられていた登里は、試合中に受傷してMF上門知樹との交代で57分にベンチへ下がった5月6日のガンバ大阪戦以来となる登録メンバー入りを果たした。

 1−1で引き分けた一戦で、登里がピッチに立つ機会は訪れなかった。それでも、1点ビハインドで折り返した77分に追いついたセレッソは、前半は4対7と圧倒されたシュート数を、後半は6対3と逆転させていた。ピッチの外から見ていて何がよかったのか。こう問われた登里は、まず冒頭のように反応した。

 香川西高等学校から川崎に加入したのが2009シーズン。以来、左サイドバックを主戦場にJ1リーグ戦だけで280試合に出場した登里は、川崎が獲得した7つのタイトルすべてに貢献。2020シーズンをもってバンディエラの中村憲剛さんが引退してからは、GK安藤駿介とともにクラブの最古参選手を担ってきた。

 迎えた昨シーズンのオフ。東大阪市で生まれ育ち、小中学校時代はサポーターでもあったセレッソへの完全移籍を決めた。プロになって16シーズン目。覚悟を決めてワンクラブマンだった自身のキャリアに別れを告げた登里は、質疑のなかで「川崎さんは――」と言及した瞬間に、あらためて移籍したんだと実感した。

 そして、気を取り直したように、セレッソの一員として「川崎さんは」に続く言葉を紡ぎはじめた。

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