「毎日学びがあった」ポープが見たキューウェルの監督像
「選手としてやっていたこともあって、選手ファーストというか選手の気持ちをすごく尊重してくれる方だった。常に毎日学びがあったし、それを強く言っていたのが自分の中に残っている。僕は今までたくさんの監督と一緒に仕事をさせてもらったけど、その中でも特に選手の気持ちに寄り添ってくれて、サッカーに対して高い情熱と姿勢を感じる監督だった」
飽くなき向上心で高みを目指す背番号1にとっては、現役時代に数々の栄光を手にしてきた前監督に対してシンパシーを感じる部分も多かったのだろう。ピッチ上で表現するプレーやポジションはまったく違っても、同じサッカーを志す者としての共通点があった。
チームも、そしてポープも、前へ進まなければいけない。すでにジョン・ハッチンソンヘッド新体制が始まり、苦しい現状を打開するための戦いは続く。じっくりと調整してきたことで、コンディションも上がってきている。
「チームの連敗が続いている中で、自分としても力になりたかったところで離脱のような感じになってしまった。自分が出ていないタイミングでチームが勝って、僕自身にとっては多少なりとも悔しさがあった。やっぱり自分がこの状況を変えたいと思っていた。
もちろんコンディションの部分でシゲさん(松永成立GKコーチ)が求める基準に達せなかった部分はあったので、僕としては一刻も早くシゲさんが求める基準のコンディションに戻さないといけなかった。自分との戦いだと思って毎日を過ごしてきたし、誰が相手というよりは自分を意識してやってきた」
鹿島戦で勝利をもたらしたのはベテラン38歳のGK飯倉大樹だった。好セーブや的確なビルドアップにとどまらず、絶妙な時間の使い方で時計の針を進める。試合展開や流れを判断し、負けが先行しているチームに必要な勝利を最優先にプレーした。
GKグループの長が見せた老獪なパフォーマンスに、刺激を受けないはずがない。